■これはもう “オーベルジュ!?” 食事を楽しみに泊まりたくなるホテルバイキング。

 食事を楽しむための小規模なホテル(または自然に囲まれた郊外のレストランで、シェフがその土地の食材を使って腕を振るう宿泊施設を備えたもの)の形態として「オーベルジュ」というものがあります。 今回取材してTAOYAブランドのホテルはまさにそれとも言えるものでした。

レストランGROTTO(画像提供:大江戸温泉物語)

 TAOYA那須塩原のレストランは GROTTO(グロット:イタリア語で洞窟を意味する)。ホテルのデザインコンセプトのように洞窟をイメージして、黒い岩に囲まれたような内装に洞窟に差す光のようなライトをあしらいシックにまとめた大人な雰囲気です。 料理の味とバリエーションにはすでに定評のあるTAOYAなので、今回はとくに那須塩原ならではのトピックスを紹介することにします。

●バイキングのイノベーションはまだまだ続いて

 今回も、ホテルのレストランバイキングに「ライブキッチンブッフェ」という手法でイノベーションを起こした最高料理顧問の高階 孝晴(たかしな たかはる)氏にお話を伺いました。

高階孝晴 最高料理顧問 バイキングの巨匠は今回どんな驚きを見せてくれるのか?(撮影:BRAVO MOUNTAIN 編集部)

 高階氏  TAOYA那須塩原のライブキッチンブッフェのテーマは「五感で味わい・楽しむ」バイキング。 そのひとつとして「香り」にフューチャーしたんだ。 TAOYAブランドのライブキッチンブッフェはどんどん進化していて、それぞれのホテルに特色があるので、ぜひそれも楽しんでもらいたい。 僕は、TAOYAシリーズのホテルのバイキング料理を楽しみに各ホテルを “回遊” してもらいたいくらいなんだ。 今回は西洋料理に特に素晴らしい仕掛けがあるから、西洋料理の責任者にも話を聞いてよ。

●バイキングレストランではありえない “驚きの仕掛け” が登場!

 とのことなので、西洋料理を監修された山口 伸雄(やまぐち のぶお)エグゼクティブシェフにもインタビュー。 山口氏は、あのマリーナベイ・サンズでもエグゼクティブシェフとして腕をふるった超一流シェフで、TAOYAシリーズの西洋料理部門のプロデュースをされています。

薪のグリルと山口伸雄エグゼクティブシェフ(中央)(撮影:BRAVO MOUNTAIN 編集部)

 山口氏  今回のTAOYA那須塩原のコンセプト「森の中を楽しむホテル」に合わせて、料理にも “ストーリー” をつくっています。この場所(那須塩原)を連想するような食材、肉だったら栃木の銘柄豚である桜山豚(オーシャントン)や銘柄鶏の香鶏(かおりどり)を贅沢に使っています。 そしてなによりも目玉なのは「薪のグリル」です。 この薪のグリルで焼くことで、香ばしい焼き目をつけるだけでなく、煙によって「木の香りを纏わせる」 まさに “森の中の料理” なんです。もちろん焼きたてのものを提供いたします。また、アミューズや一皿づつ提供する料理は目でも楽しめるように、つけ合わせにもこだわりました。もう一つの目玉は、その場で完成させる「手搾りのフレッシュモンブラン」です。 あとで、ぜひ体験してみてください。

 そして僕は、表現方法を変えて “四季を楽しめる” 料理で、なんなら四季それぞれに年4回来てほしいくらいに思っています。 例えば薪のグリルだって、春は桜の木、秋には月桂樹とか季節によって使う薪の種類を変えることによって、違う香りや味わいが出せます。 また手搾りのモンブランだって、モンブランのマロンクリームを春先にはイチゴ、初夏には抹茶とか。そうやって四季折々にまた違った味わいを表現することもできるので、いつ泊まりに来ても風景だけでなく料理でも違った感動や楽しみを演出していきたいです。

目の前で作られ完成したモンブラン(撮影:BRAVO MOUNTAIN 編集部)

 その場でマロンクリームを “手搾り” されたフレッシュなモンブランは、香り高く味わい深く。 そしてフレッシュでとってもエアリーな食感でした。

 グルメガイドブックとして有名な「ミシュランガイド」によれば、『3つ星=そのために旅行する価値のある卓越した料理』なんだそうです。 この宿泊費でこのようなハイレベルのバイキングが楽しめるのなんて、驚異的だと思います。 高階氏や山口氏のバイキング料理への情熱と創意工夫、まさに旅行して食べに行く価値アリな “ 3つ星!” でした。

 余談ですが、GROTTOにはこのようなヘアゴムの用意もありました。 女性客へのきめ細やかな心遣いも素敵ですね!

最初「イカリングフライがなんでここに?」と見間違えちゃいました(笑)。(撮影:BRAVO MOUNTAIN 編集部)

TAOYA那須塩原     https://taoya-nasushiobara.ooedoonsen.jp/