暑い日が続くが、アウトドアが楽しい季節がやってきた。

 しかし山行きを予定していても、必ずしも好天とは限らない。たとえ強行したとしても、雨具を着て山を歩けば、雨に濡れずとも汗でずぶ濡れに。

 ゴアテックスのような高機能素材の雨具だとしても、夏の季節の吹き出る汗は止められない。加えて、雨の日の山は、足元が悪いうえに自然災害に巻き込まれる可能性もあり、危険がいっぱいだ。

 そこで雨の日は傘をさし、ゆっくり散歩するのはいかがだろうか。今回は、京都に住んでいたことがある関西在住の筆者がお伝えする、雨の日こそ美しさが映える、京都の観光スポットの紹介だ。

■哲学の道

雨にしっとり濡れた哲学の道(撮影:野口宣存)
哲学の道で見かける濡れた花も美しい(撮影:野口宣存)
哲学の道で、雨に濡れる木々と運河を眺めながら、おしゃれな散歩(撮影:野口宣存)

 「哲学の道」は、銀閣寺と若王子神社の間を流れる「琵琶湖疏水」の運河沿いにある、約2kmの散歩道。京都大学教授で哲学者の「西田幾多郎(にしだきたろう)」が、毎朝思索しながらこの道を歩いていたことにちなんで名付けられた。

 桜の名所としても有名な哲学の道だが、雨が降るとアンニュイな雰囲気が漂う穴場へと変わる。運河沿いに並ぶ個性的なカフェも哲学の道の魅力の一つだ。傘を差し、雨に濡れる木々と運河を眺めながら、おしゃれな散歩を楽しんでみてはいかがだろうか。

●哲学の道 北端(銀閣寺橋)

・住所:〒606-8407 京都府京都市左京区

●哲学の道 南端

・住所:〒606-8444 京都府京都市左京区若王子町

■南禅寺水路閣

 京都の有名な観光地でもある南禅寺には、近代化遺産として国史跡に指定されている「水路閣」がある。水路閣もまた琵琶湖疏水関連の史跡。映えスポットとしても知られている。

雨に濡れた水路閣(撮影:野口宣存)
水路閣の下から南禅寺の堂宇を見上げる(撮影:野口宣存)
水路閣の上には琵琶湖疏水の水路がある(撮影:野口宣存)

 雨の日には、薄暗い中に濡れたレンガで重厚な雰囲気を醸し出す水路閣。さまざまな角度から鑑賞してみるのもよし、水路閣の下で雨宿りしてみるのもまた一興だ。

●水路閣(南禅寺境内)

・住所:〒606-0000 京都府京都市左京区南禅寺風呂山町

・URL:https://biwakososui.city.kyoto.lg.jp/place/detail/32