梅雨も明け、夏本番がやってきた。これから夏登山を楽しむ人も多いだろう。そこで今回は、行ってはいけない「山頂が暑すぎる山」として、展望が良すぎるがゆえに日影が全くないという、夏には危険すぎる標高179mの兵庫県加古川市の相ノ山(あいのやま)を紹介する。

■夏場はまるで石焼プレート! 兵庫県加古川市の相ノ山

相ノ山山頂(撮影:野口宣存)
相ノ山略図(作図:野口宣存)

 相ノ山は、標高179mで登山口から15分程度で山頂へ行ける手軽な山。しかし標高179mだからと、なめてかかってはいけない。

 実は相ノ山の登山道はほぼ岩の上。そのため登り始めから登頂まで、ずっと絶景が楽しめる。しかしそれは裏返せば、夏場は石焼プレートの上にいるのと同じということなのだ。岩場は急傾斜なので、太陽光発電のように効率よく太陽の熱を吸収する。そのため、頭上からの直射日光とあわせて、岩からの熱気で登り始めるとすぐにこんがり焼かれてしまうのだ。

相ノ山から播州平野を望む(撮影:野口宣存)

 相ノ山は、15分程度で登れる山である。しかし、眼下には平荘湖(へいそうこ)、遠くには播州平野が広がる絶景に立ち止まって写真を撮ったりしていると、熱気で汗が止まらなくなる。日陰もないので、熱中症にもなりかねない。

藪に囲まれ熱がこもる相ノ山山頂(撮影:野口宣存)

 なお、相ノ山は山頂部分だけ周囲が藪におおわれて眺望が全くない。そしてこの山頂が、岩場にも負けず暑いのだ。なぜなら空は見えており直射日光を受けるものの、周囲の藪のせいで風が抜けず、熱がこもるからである。山頂から5mくらい離れると岩場になるが、まだこちらのほうがましかもしれない。

西側ルートから相ノ山山頂を望む(撮影:野口宣存)
"展望ヨシ"はすなわち"日陰ナシ"の相ノ山(撮影:野口宣存)

 下山時は、たとえ標高179mの低山とはいえ、滑落には気をつけたい。岩場には浮砂で滑りやすいところや、岩から染み出した水で苔が生えている場所がある。加えて傾斜が急なので、足元に注意が必要だ。

相ノ山
・住所:〒675-1232 兵庫県加古川市平荘町里

【MAP】