■炎天下で作業する農家に教えてもらった熱中症対策

汗を拭く間、長袖と麦わら帽子を乾燥中。飛ばないようにスポーツドリンクの水筒で押さえる(撮影:野口宣存)

 さて、こうした暑い登山において、筆者は長年行っている熱中症対策がある。それは昔、炎天下で作業をする農家に教えてもらった、冷たいスポーツ飲料、麦わら帽子、日焼け防止の長袖の3つである。1つずつ解説しよう。

 まずは冷たいスポーツ飲料。昔、夏野菜の収穫作業を手伝うアルバイトをしていた頃の話だ。大好きな熱いコーヒーを飲んでいた筆者は、熱中症になった。そこで農家の人に教えてもらったことは、炎天下での飲み物は、絶対に冷たいものを持って行くということ。経験上、熱い飲み物は熱中症の原因となると言えるらしい。そして、キンキンに冷えたスポーツドリンクが一番いいとのことだった。

 続いて麦わら帽子。これはアルバイトを始める前に、農家の人からアドバイスいただいたことだ。通気性がよいうえ日陰になる部分も多いので、キャップ帽子より熱中症になりにくいとのことである。

 そして、最後の日焼け防止の長袖。これも最初に農家の人からアドバイスを受けたことだ。日焼けをすると発汗作用が低下してしまい、体に熱がこもって熱中症を引き起こすことがあるらしい。

 この3つの対策を行うようになって以来、筆者は熱中症になる頻度が減った。しかし、これは医師のお墨付きを得たものではない。したがって、あくまで参考情報として捉えていただけると幸いだ。いずれにせよ、準備なしで夏場にこうした山に行くのは、自殺行為である。

 夏場、山頂が暑すぎる山は各地に存在する。熱中症に気をつけて絶景を楽しんできてほしい。