■白谷雲水峡とは

 白谷雲水峡は、面積約424haにわたって広がる自然休養林である。日本に存在する1600種類の苔のうち、なんと約600種類もの苔が生息するといわれ、美しい緑と水の世界を手軽に堪能できる。コースは3つあり、全長最大8km、高低差最大400m。高低差があり危険な箇所もいくつかあるので、トレッキングシューズでの散策をおすすめする。

 また、白谷雲水峡は林野庁の「水源の森百選」にも選出されており、トレッキング中にはあちこちで美しい水場が見られる。豊かな森の土壌という天然のフィルターを通した水は、有機物をほぼ含まない硬度10mg/Lの超軟水。筆者も飲んだが、驚くほどまろやかでほのかに甘みを感じるほど美味しかった。そのため、ペットボトルの水を何本も持ち歩く必要はない。

随所で見られる美しい渓流に心身ともに癒やされる(撮影:佐野葉月)

■白谷雲水峡を訪れるべき3つの理由

●1. 中心部からバスで25分

 島は交通が不便なので、アクセスのしやすさは重要である。縄文杉に行くには、早朝5時頃にバスに乗るため、まだ真っ暗な4時頃から動き出さなければならなかった。また、前日からバスチケットを購入したり、お弁当の予約をしたりと念入りな準備が必要である。一般車両の制限をしているため、レンタカーで行くこともできない。

 一方、白谷雲水峡は比較的アクセスし易い場所だといえる。観光の中心である宮之浦エリアからバスが出ており、本数は少ないが朝の8時台から15時台まである。宮之浦エリアには宿泊施設も多くあるため、バス停まで徒歩で行きやすい。バスに乗ると25~30分程度で白谷雲水峡の入り口に到着でき、手軽に登山へ出かけられるのが魅力である。また、無料の駐車場もあるのでレンタカーを利用することもできる。ただ、ハイシーズンには早い時間に満車になるので、できるだけ早朝に行くことをおすすめする。

帰りのバス停留所前の看板(撮影:佐野葉月)