■テント泊で気をつけるべき点

●無理な山行計画は禁物

筆者のテント泊装備(テント関連、寝袋、マット)の重量は3kg程であるが、更にクッカーやバーナー、カトラリー、食料などの重さが加わる

 テント泊登山に挑もうとする人は登山自体に慣れてきた人だと思うが、重量の増したザックを背負い山歩きを行うと、体力の消耗スピードが段違いだ。

 1日目は余裕、と思っていても、2日目、3日目になると疲労はどんどん増していく。筆者自身も、体力に見合わない山行計画を立て、予定していた山の山頂までたどり着けず同行者に申し訳なく思ったことがある。

 そうならないためにも、事前にテント泊登山を行うと想定したザック重量で近場の山を登ってみると良いだろう。また、日程も長めに設定するなど余裕をもって当日を迎えよう。

●かなり早く起きる必要がある

テント泊登山者の朝は早い。その代わり、素晴らしい景色を拝めるのだ

 テントの撤収は思ったよりも時間がかかる。また、先述のようにテントに付着した結露を乾かしていたりすると、更に時間に余裕を持って起床する必要がある。朝ダラダラしているとその日の予定通りに進まなくなる可能性がある。

 テントの扱いには慣れておき、素早く撤収するスキルを身に着けておきたいものだ。

●夜に騒ぐのは禁物

 テント泊登山者の行動は何もかもがワンテンポ速い。それは夜を迎えた際にも言えることで、15時にはテント場に着きテントを設営、17時に夕食。19時には就寝ということもザラだ。

 筆者自身も早々に寝てしまうタイプなのだが、ある山でのテント泊中、キャンプと勘違いしているのか暗くなってもずっと騒いでいるグループがいた。いつか静かになるだろう、と我慢していたのだが、一向に静かにならない。

 そう思いながらも寝られないでいた時、テントの外から「うるさい!!!!」と一喝する声が聞こえてきた。その声から騒ぎ声はパタリとやみ、静かなテント場に戻った。山の洗礼を受けたそのグループは、その後早めに就寝するようになったに違いない。

■テント泊登山を行うにあたって

 何事においても言えることではあるが、登山は予想外の出来事がつきものだ。十分に下調べをし、自分の実力を見極め、無理はせず余裕を持った山行計画を立ててほしい。

 テント泊登山を行えるようになると、山の楽しみ、見える景色の素晴らしさはぐっと広がる。この夏のテント泊登山デビューの参考になれば幸いである。