■キャストには練習が必要かも! 釣果は?

 早速、砂浜からの投げ釣り開始。しかし、テンビン仕掛けが思うように飛ばずに苦戦。素人目にはこの直角になった仕掛けが、まっすぐ飛ぶように見えない。狙ったところまで届かず手前でポチャン。まわりに人がいなくてよかったと思えるほど恥ずかしいキャストが続く。

 しかし、何度か続けていくうちに狙い通りのポイントに届くようになった。最初は腕の力で振りかぶるように投げていたが、仕掛けの重みを利用して竿をしならせ、糸をリリースするタイミングをうまく合わせて投げるとまっすぐ飛ぶようになった。

 波間の一部に色が変わって見える潮目(しおめ)と呼ばれる潮流の境目があり、そこを狙って投げてみる。海底にオモリが到達したのが伝わったら、リールをゆっくり巻くか、ロッドをサビく(竿先を真上に向けるようして仕掛けを引っ張ること)、その後に少し待っているとキスからの反応があるはずだ。

 とはいえ、なかなかアタリが来ない。仕掛けを引き上げてみるとエサだけを食べられていた。キスは小さい口で釣り針を除けながらエサだけを食べるのが上手なようだ。キス釣りの難しさでもあり面白さでもあるのかもしれない。

 それでも辛抱強く、キャスト後にリールをゆっくり巻いてを繰り返していると、ブルっとしたアタリが! リールを巻き上げるとキスが掛かっていた!

投げ釣り初のキスで慌ててピンボケ(撮影:田奈 真知)

 その後は、ちょっとコツを掴んで2匹目もゲット! この日は2時間で2匹の釣果。初挑戦だったので、釣果ゼロも覚悟していたためとてもうれしい。

2匹目は少し小さいサイズ(撮影:田奈 真知)
初めての投げ釣りの釣果はキス2匹(撮影:田奈 真知)

 この日はキス以外に堤防でカタクチイワシを20匹近く釣ったので、まずまずの釣果である。この日は堤防でのサビキ釣り、砂浜からの投げ釣りを楽しんだが、ともに釣り初心者でも釣果が狙えて純粋に楽しいひと時を過ごせた。

 砂浜からの投げ釣りが初めての場合は、釣果をそこまで望めないかもしれないが、静かな浜に打ち寄せる波の音を聞いているだけで満たされた気持ちになり、持参のコーヒーを飲みながら日常の忙しさを忘れられて満ち足りた気分になれた。

 日々忙しく過ごしている人にこそ、砂浜で過ごす投げ釣りはおすすめだ。釣りに飽きた子どもたちが砂だらけで遊んでいるのをみて少し疲れが増したけど……。

海岸で過ごすひと時。波の音と絶景でリラックス(撮影:田奈 真知)
この日の釣果(撮影:田奈 真知)