■「山城」が由来となっていることが多い「城山」
そして、「城山」という山は、この「山城」が由来である場合が多いのだ。
その点から、全国の「城山」の多くは、なんらかの城にまつわる歴史的な背景があるということになる。
全国的に見ると、北海道には見当たらないが、北は岩手から南は四国、九州、沖縄にまで分布する。
都道府県単位では、特に新潟県、長野県と岡山県に多く、それぞれ20以上ある。これは、それぞれの歴史的な要素だけではなく、山が多い地理的な条件も関係しているのだろう。
また、何もつかないプレーンな「城山」だけではなく、「赤城山」「小仏城山」「天城山」「一乗城山」 のようなネーミングも含めると数はもっと増える。
ただし、これらは山城と関係のある場合と、そうでもない場合とがある。
たとえば、「赤城山」は、伝説上の神が流した血で山が赤く染まったことから「赤き」が転じて「赤城」になったという説があり、関係なさそうだ。かたや、「一乗谷城山」は、戦国大名の朝倉氏の「一乗谷城」という山城があったことに由来する。
なお、「城山」に続く、2番目に多い山は「丸山」のようだ。
南アルプス中央部にある「荒川岳」のピークの一つの「丸山」は標高3,032mある。「白馬岳」の近くには2,786mの「丸山」がある。このほか大小、180以上の同名の山が存在している。なお、これらは、原則的に、その丸い形状が由来になっていることが多い。
【soto 2021 vol.1 より再編集】