みなさんはキスという魚をご存知だろうか? 一般的にキスと呼ばれている魚はシロギスのことを指しており、日本全国の沿岸で釣れるメジャーな魚である。

 海水温の低い冬の時期は30m超の深場に身を隠しているシロギスだが、春先以降、産卵のため徐々に水深2〜10m程度の浅瀬に移動する。そのため、春を過ぎる頃から釣れ始め、釣れる数も徐々に増え、夏前には釣り人の人気魚種となる。

 キスは乗合船や手漕ぎボート、投げ釣りなどで狙うのが定番の釣り方だが、筆者はカヤックフィッシングで楽しんでいる。カヤックとキス釣りはとっても相性がよく、これまで何度も爆釣を経験している。今回は、そんなカヤックによるキス釣りが最適である理由と釣り方やおすすめの調理法について解説しよう。

■キス釣りにはカヤックが最適

カヤックでのキス釣りは根掛かりが少ないのでストレスも少ない(撮影:summerdays919)

 キス釣りにおいて最も代表的なスタイルは投げ釣りである。投げ釣りは4m前後の竿を使い、サーフからの遠投でキスを狙うもの。しかし、この釣法は海底で仕掛けを引きずるため、根掛かりしやすい。

 また、陸からなので狙える距離が限られており、魚からの反応がない時に場所を移動したくても制限がある。その点カヤックなら狙ったポイントの真上から仕掛けを投入できるので、根掛かりのリスクが少なく、魚からの反応がなかった場合においても、すぐに別のポイントへ移動することが可能だ。

 キスは投げ釣りのほかに遊漁船や手漕ぎボートから狙う方法がある。遊漁船は1回の釣行で5000円から1万円の費用が掛かる。そのため、釣りやすくはあるのだが財布と相談しながらとなるため、頻回の釣りには適さない。

 また、手漕ぎボートは同時に2つのパドルを操作する必要があり、初めて乗る場合はその取り扱いの難しさに苦戦する人も多い。

 その点、カヤックであれば5万円〜(カヤック代+付属品代)の初期投資が必要だが、初心者でも取り回しが簡単で、自分の行きたい場所へすぐに行くことができ、何回釣行しても費用はかからない。根掛かりのストレスにも解放され、予備仕掛けの購入数は減少。そして何よりもよく釣れる。費用や操作性、そして釣果を考慮するならキス釣りにはカヤックが最適と言えるだろう。

 転覆のリスクに備え浮力7.5㎏以上の固形式ライフジャケットや予備パドル、ほかの船と衝突を避けるためフラッグなどは揃えたうえで臨みたい。