●ルート&見どころ

 蓼科牧場を過ぎ、町道を上がると鳥居がある登山口。ここからは長い裾野をゆるい傾斜に沿って登っていく。頂上部近くまでは樹林帯が続き、苔むす森の中を歩く北八ヶ岳らしい登山が楽しい。1時間強ほど進むと上りが急になり、足場も悪くなる。ガレ場を進むと将軍平、さらに大きな石が重なり合う急斜面が待っている。ここを越えると山頂ヒュッテが現れ、展望が一気に開ける頂上部に出る。

蓼科山頂上に建つ蓼科山頂ヒュッテ

 頂上部はあたり一面大きな岩が広がる平地で、どこが頂点か分からない特殊な趣の風景。景観は見事で、八ヶ岳、南アルプス、北アルプスが望める。山頂中心には蓼科神社奥宮の祠が祭られている。頂上付近は森林限界で遮るものが無いため、直射日光には注意したい。また、天候が悪いときは方向が分かりづらくなるので、歩いてきた道をしっかり確認する必要がある。

どこが頂上か分からない特殊な風景

 下山は来た道を下りる。頂上部の急斜面さえ注意すれば、ファミリーにも楽しめるコースといえよう。

●蓼科山登山口~蓼科山

 ビーナスライン(県道50号)沿いの女乃神茶屋前、標高1,720mの蓼科山登山口からのアプローチなら登り応えはさらに増す。緩やかなカラマツ林の登りからガレ場の急登が続く斜面を進む中級者以上向けのルート。富士山や南アルプスの眺望が楽しいが、クサリ場や大岩が待つ距離のあるルートでもある。前述のコースの倍の約3時間をかけて頂上に至る。ちなみに下りは約1時間30分がコースタイム。

●御泉水自然園

 7合目登山口の手前に御泉水(ごせんすい)自然園がある。ここは、標高1,830mの原生林の森と湿地帯に1周約1時間の整備された散策路が作られている。高山植物や野鳥の宝庫で静かな森の中で森林浴が楽しめる。アップダウンがほとんどなく、蓼科山登山とセットで楽しむトレッキングルートしても利用できる。入場は大人(中学生以上)600円、小人(小学生以下)400円。ベースの蓼科牧場から観光リフト(ゴンドラ)を使って訪れてもいい。ゴンドラ頂上駅舎付近からは麓に見える女神湖の眺めが素晴らしい。

高山植物や野鳥鑑賞が楽しめる御泉水自然園