■沖縄県初の郷土富士「ミラムイ」の絶景もハイレベル!

デーサンダームイのすぐ目の前にそびえる“本部富士”ことミラムイ

 デーサンダームイの山頂から北には、深い緑の森が海まで広がっている。その樹林伝いに盛り上がった山がミラムイだ。こちらの標高は240mと、デーサンダームイよりわずかに高い。その姿はそもそもの低さにしては堂々としている。またの名を本部富士というだけあって、沖縄初の“郷土富士”に恥じない山容だ。

 デーサンダームイだけでも感動レベルの風景を楽しめるから、そこで満足できれば下山するのも選択肢のひとつ。しかし、時間と体力にゆとりがあるのなら、ミラムイの山頂も楽しみたいところ。すぐ近くに並び立つ山なのに、それぞれの眺めは異なる。だから、これら2座を巡ることで満足度も格段に上がると思うのだ。

鋭い石灰岩に覆われているミラムイの山頂付近。ゆっくり慎重に進みたい

 ミラムイも、溶食による鋭い岩の急登を登ることになる。山頂が近づくと高い樹木がなくなり、太陽に照らされた白い石灰岩が青空によく映える。ここだけを見れば、どこかの高山だと勘違いするほどの高度感。うっかり脛をぶつけたりしないよう慎重に足を運んだ先に、240mの岩場の山頂が見えてくる。

ミラムイから北西方向。伊江島のタッチューこと城山もくっきり!

 ミラムイは、本部半島の西から北にかけた眺めが抜群によい。半島先端に位置する備瀬崎とその先に浮かぶ伊江島の風景は、デーサンダームイからは見ることができないアングルになっている。コバルトブルーの海と、そこから届く気持ちのよい海風。この海との距離感にこそ、沖縄の低山の魅力があると思う。

 最後に、あらためて装備について念押しをしたい。暑い沖縄だけに、つい不要だと思いがちの長袖、長ズボン、手袋。ケガと日焼けを未然に防ぐためにもお忘れなく。

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