■人生で一度は登りたい富士山。2回のステップアップ練習登山でいざ日本一の頂へ!

 初めて富士山にチャレンジする人は、実は多くの場合、そもそも登山自体もあまり経験がないという人が多いように思う。コースやタイムスケジュール、必要なギアなどはネットで検索することができるが「今の自分の体力で登れるか」「事前のトレーニングはどの位必要か」などについては、具体的なイメージが湧かない人も多い。

 そこで、今シーズンの富士山登頂を目標に「ステップアップ練習登山」を紹介したい。ここでは運動強度だけではなく、登山の楽しさも経験できるような順番で対象を2座選んでみた。

 全くの個人的見解であるが運動強度、山行時間、高山病対策や防寒のために必要となる荷物の量など、総合的に判断して富士山の難易度を10とした場合、1座目の茶臼岳は2、2座目の谷川岳は5~6といったイメージである。

富士山・茶臼岳・谷川岳の比較

※1. 獲得標高は各ロープウェイ山頂駅の標高と頂上との差を記載
※2. 登頂時間はロープウェイ運営会社のサイトに記載のある山行時間等を参考に筆者の登頂時間も加味して記載(往路)
※3.富士山は最も登山者が多い吉田ルート

■ステップアップ練習登山1座目:那須連山 茶臼岳(標高:1,915m 日本百名山)

ロープウェイで9合目まで登れる。GWではまだところどころに残雪がある。標高1,900m超からの眺望は抜群だ

 日本百名山の一つである那須岳とは茶臼岳、朝日岳、三本槍岳の総称である。そのなかでも茶臼岳はロープウェイの山頂駅からアクセスがしやすく、往復だけなら2時間もあればできる手頃な山だ。

 また、山頂駅を中心に朝日岳縦走や南月山を含めて縦走するなど、体力や時間に合わせてコースが組めるのも魅力的だ。登山経験者には物足りないであろうが、体力づくりや、子どもと一緒に登頂を目指す場合の一歩目として、購入したばかりのギアを試しに使ってみるなどにはちょうどよい。

登山ルートは整備されているが風が強く、岩場もあるため登山靴、手袋などは準備しておきたい

 まずは標高約2,000mの空気を感じながら百名山の頂上に立ちモチベーションを高めよう。ルートは整備されているが山頂付近は手を使っての岩場もあるため、底のしっかりした登山靴、手袋は必須だ。また、風が強いことも想定されるので、ウィンドブレーカー、帽子が飛ばされないようハットクリップなども準備しておくと安心だ。