■「カヌー、カヤック、SUP」 それぞれの違いは?

折りたたみ式のカヤック。骨組みに船体布を被せて組み立てる(撮影:彩)

 カヌーとは、パドルを用いて船を漕ぎすすめるものの総称だ。なので、カヤックはカヌーの一部であるとも言える。

 一般にカヌーと言えば、カナディアンカヌーという船体が幅広でデッキ(船の甲板)が上に広く開けたタイプの船を指すことが多く、船を漕ぐためのパドルは片側にのみブレード(水を捉える平べったい部分)がついている(シングルブレードパドル)。

 それに対して、カヤックはパドルの両端にブレードが付いており(ダブルブレードパドル)、シングルブレードパドルで漕ぐときとは漕ぎ方が違ってくる。

カヌーの一例。商品名:ペリカン 15.5(引用:モンベル公式HP)

 SUPとは、Stand Up Paddleboardの略で、平べったく大きいサーフボードに乗り、シングルブレードパドルを使って漕ぎ進めるもののことをいう。こちらはパドルスポーツという括りの中に入り、サーフィンとの融合のようなもので、ハワイが発祥とされる。

琵琶湖の湖畔にてSUPを楽しむ様子(撮影:彩)
パドルを使用するものを総称してパドルスポーツと呼ぶ

■さまざまな遊び方がある

 カヌーやカヤックは船体の形状によって、さまざまな種類があるが、レクリエーション用として海辺や湖畔に用意されているものは、水の上でもどっしりとして安定しており、転覆しにくかったり沈まないように作られているものが多い。

 こういった形状のものは水の流れが少なかったり、波のない場所でツーリングするのに適している。ゆっくりと周りの景色を見ながら水上をスイスイ漕いでいくのを楽しむことができ、子どもやペットと一緒に乗ったり、釣り道具を持ち込んでもよいだろう。

さまざまな船の種類がある(撮影:彩)

 これらに乗る際には濡れてもいい服装で行うのがよい。特にカヌーやカヤックは濡れないのでは?  と思うかもしれないが、船に乗り込む際や、パドルを伝って滴り落ちてくる水滴で結構濡れてしまうものだ。

 また、ウォータースポーツを行う際にはライフジャケット(PDF:Personal Floatation Deviceとも呼ばれる)の着用は必須。近年、夏に水遊びを行っている際、水難事故にあったという報道をよく聞くが、このライフジャケットを着用してさえいれば助かった命がいくつもあったことだろう…… とやるせない気持ちになる。

水上へ出る際には必ずライフジャケットの着用を!(撮影:彩)

 ライフジャケットは体から外れてしまっては元も子もないので、体から外れてしまわないように正しくフィッティングし、万が一船から沈(船から落水することを沈(ちん)する、という)してしまっても、楽に浮いていられるように正しく着用をしよう。

岡山県の高梁川にて。寒い時期には完全防水のパドリングパンツを着用する(撮影:彩)

 また、アクティビティ中には思ったよりも寒くなってしまったり、反対に太陽に照らされて暑くなりすぎたりしてしまうことがあるので、季節に応じた防寒対策や暑さ対策、日焼け対策をしよう。

■慣れてきたら、マイ艇をゲットしよう! 

 慣れてきたら自分の船を買って、いろんな水辺へ出かけると楽しみもぐっと広がる。川の上流から下り、川辺にキャンプ地を作りながら数日かけてツーリングをするのもいいし、カヤックフィッシングに出かけるのもよいだろう。

水上での楽しみは、静けさを味わえることと、自然を身近に感じられること(撮影:彩)

 種類によって様々だが、10万円以下で購入できるものもあるし、意外と手が届く値段のものも多い。カヤックやSUPを購入する際には、自宅の保管場所や運搬方法には気をつけたい。折りたたみ式であったり、空気注入式のインフレータブルカヤックもあるので、収納スペースを考えながら都会に暮らす人でも楽しむことができるのがパドルスポーツなのだ。

 今年は、いつものキャンプにパドルスポーツを追加して楽しんでみてはいかがだろうか。