夏のレジャーで大人気の川下り。スタートとゴールに車を置いて川を下るのが一般的だが、今回は重さ3kgの軽量・コンパクトなボート「パックラフト」で楽しむ、公共交通機関を利用した新しい川旅スタイルを紹介する。持ち運び楽々なパックラフトの特性を活かし、川のみならず、移動までもが楽しめる旅となること間違いなし。

■富良野駅発! 水・陸の旅

旅のスタートはドラマ『北の国から』の舞台、富良野駅(写真提供:ふらのバス)

 北海道中央部、「富良野市」を流れる空知川はラフティングやカヌー、カヤックなどが盛んで、今回、公共交通機関を利用するにあたり、富良野市内で路線バスを運行する「ふらのバス」に協力をいただき旅を企画した。

 川旅のポイントは、スタートとゴールの近くに「バス停」があること。アクセスのしやすさや運行ダイヤを調べコースを決定。北海道に暮らす多くの人は自家用車での移動が多く、富良野市在住の筆者も路線バスを利用するのは初めて。川だけではなく、陸の旅にもとてもワクワクした。

バスを降りると空知川は目前! 川へのアクセスは抜群(撮影:小松弘幸

 川下りに使用する装備はボート、パドル、ライフジャケット、ヘルメットに加え、今回は低い水温に合わせドライスーツを用意。それらをリュックに詰め背負うのだが、重さは10kgに満たない。パックラフトだからこそできる旅のスタイルだ。「富良野駅」からふらのバスに乗車し20分、「布部学校前」で下車。運賃は290円。バスを降りると、すぐそこに見える空知川に歓声が上がる。このコースは、ドラマ『北の国から』で筏下りをするシーンで使われ、川幅が広く程よい流れと十分な水量が特徴だ。

スタート前には必ず、漕ぎ方や安全についてのセーフティトークを実施(撮影:小松弘幸

 川の近くでボートを膨らませた後、ボートの操作方法や注意事項を伝える「セーフティトーク」を行いパックラフティングがスタート。富良野市を流れる空知川中流域のコースは、森の中からスタートし、町並みを眺めながらゴールする。大自然も楽しいが、普段から眺めている生活圏の川を下るのもとても斬新で楽しい。

程よい瀬と、スピード感ある流れ。身近な川の素晴らしさを再認識(撮影:小松弘幸