2023年春のNHK連続テレビ小説『らんまん』。ヒロインが浜辺美波、主演の神木隆之介が高知県出身の主人公「槙野万太郎」を演じる。このモデルとなったのが、「日本の植物分類学の父」と言われている牧野富太郎博士だ。そんな牧野博士の業績を顕彰するための施設として、高知県立牧野植物園(以下、牧野植物園と記載)がある。今回は牧野植物園と、その周辺の施設を紹介していきたい。

 

■神木隆之介演じる槙野万太郎のモデル「牧野富太郎博士」とは

園内にある牧野富太郎博士少年像。主演の「神木隆之介」に似ていると感じた(撮影:西野くに)

 『らんまん』で主演「神木隆之介」が演じるのは牧野富太郎博士だ。牧野博士は、1862年に現在の高知県高岡郡佐川町に生まれた。自然豊かな地域で育ち、幼少期から植物に興味を持つ。その後、上京し、東京大学理学部植物学教室で植物学の研究に打ち込んだ。

牧野博士の半生を知れるエリアもある(撮影:西野くに)

 彼は約1500種類の植物を命名し、1953年に東京都名誉都民、1957年に文化勲章を受章。蔵書は約4万5千冊あり、日本植物分類学の歴史を築いた一人とされている。

■牧野富太郎博士が愛した五台山の地にある牧野植物園

植物を知れるエリアもある牧野植物園(撮影:西野くに)

 牧野植物園は高知市の南側にある五台山の山頂付近に位置する。生前、牧野博士は植物園を作るなら、五台山がいいと語った。高知中央ICから車で約15分、高知駅前からMY遊バスを利用して30分ほど。ちなみにMY遊バスとは、JR高知駅前から五台山を経由して、桂浜まで運行している周遊バスのことである。

 牧野植物園の開園は牧野博士が逝去した翌年、1958(昭和33)年4月。およそ8ヘクタールある園内には博士ゆかりの野生植物など3000種類以上の植物が育てられ、牧野富太郎記念館をはじめ展望台、温室、レストランなどが点在する。

■牧野富太郎博士 ゆかりの植物が多く植えてある北園

牧野富太郎記念館 展示館は、JR高知駅も設計した内藤廣氏の作品だ(撮影:西野くに)

 園内は南園と北園の二つのエリアに分けられている。正門から入るとまずは北園となる。北園は「こんこん山広場」や「牧野富太郎記念館」「さくら・つつじ園」などがあり、牧野博士ゆかりの植物を中心に植えられている。3月から4月を中心に、園内にある40種類以上の桜が次々に開花する。高台にあり、四国山地の山々や太平洋を一望できるエリアとなっているのも特徴だ。

高台にある園内からは太平洋を見ることもできる(撮影:西野くに)