●概要
那須岳は茶臼岳、朝日岳、三本槍岳の三山からなる呼称。那須岳という山自体は存在しない。最高峰は三本槍岳の1,997m、次いで茶臼岳の1,915m、朝日岳の1,896m。活火山で所々はガスが放出され、迫力ある噴煙を間近で見られるのもこの山の大きな魅力。2,000mに満たないのに山頂付近は岩稜地帯でまるで森林限界を超えた3,000m峰を思わせる景色が広がっている。茶臼岳の9合目付近までロープウェイが通っており、その景色を見に、多くの登山客と観光客でにぎわう。今回はロープウェイを利用して那須岳一番人気の山、茶臼岳を楽しむルートを紹介したい。
●ルート＆見どころ
山頂駅を出ると、歩き出しは階段もあり軽快だが、すぐに砂利と岩歩きが続く。砂で足を滑らせないよう気を付けながら歩きたい。山頂まではルートタイムで40分程度だが、歩き慣れない人は余裕をもって行動しよう。登山道はロープとマーキングでコースを明示してあるので迷うことはない。風を遮るものがないので、ウィンドブレーカーなどを持っていくと重宝する。
山頂では火山活動で生まれたカルデラや麓に広がる那須高原などの景色が見られる。北の方角には鋭利に突き出た厳格な威容の朝日岳と麓からは見ることができない三本槍岳が見通せる。特に朝日岳の岩肌むき出しの山容は標高で三番手に甘んじながらも堂々としたものだ。
ここからは一度北へと向かい途中にある避難小屋まで下る。そこから山頂付近をぐるっと周回し、茶臼岳の名物「無間地獄」を通る。ここは避難小屋から横移動で20分程いくと山肌から大量に火山ガスが放出されているスポットだ。大量のガスが「ジュ―」と音をたてながら放出されている様はまさに圧巻の光景だ。再び40分程歩けば一周したことになり、元来た道に戻る。下りはまたロープウェイを利用して帰れば疲労も少なく大満喫できる。
