キャンプで使用する火といえば、焚き火や炭火、そしてガスバーナーの使用が一般的だろう。しかし、昨今ではメスティンの登場により、固形燃料への注目も集まっている。100円ショップのダイソーでは、100円で3個入の固形燃料を購入することができる。

 今回はこの固形燃料3個で、キャンプの食事をどこまで調理できるのかを実験してみた。固形燃料の有用性を検証するために企画したのだが、検証の結果は事前に想定していたものとは違うものになってしまった。

■検証してみると予想外の結果に

メスティンと固形燃料の組み合わせ(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 今回は野外でメスティンを使い、炊く(ご飯)、焼く(目玉焼き)、茹でる(レトルトカレー)の3つの調理を実施し、固形燃料が燃え尽きるまでにどのくらい調理できるのかを計測する予定だった。

 まずはじめに実施したのはメスティンによる炊飯だ。メスティンでの炊飯は固形燃料1つを燃焼しきるまで使用するのがセオリーと言われている。実際にメスティンでの炊飯を試み、固形燃料がどのくらい燃焼し続けるのかを計測した。ちなみに今回使用したメスティンは165×95×63mmのサイズで、2合まで対応と記載されたもので1合分を炊いてみた。

 着火後、すぐにストップウォッチのスイッチを押す。固形燃料が燃え尽き、ご飯が炊き上がるのをただじっと待ち続けた。

 しかし、予想外の事態に直面。時間が経過しても、一向にメスティンから水が溢れてくる様子はない。中で沸騰していないのだ。そのまま沸騰することなく、固形燃料は25分40秒ほどで火が消えた。燃焼時間についてはパッケージに記載されている通りの結果となった。

見た目にも仕上がりの悪さがうかがえる(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 ご飯の炊き上がりはやはり沸騰していなかったため、中途半端に火が通った状態で芯が残った状態となってしまった。結果、固形燃料によるメスティンでの炊飯は失敗に終わった。最初から予想外の結果となり、早くも残りの実験に暗雲が立ちこめた。

 続いての検証は焼き調理である。今回はクッカーのフライパンを用いて目玉焼きの調理を試みた。火を付け、直径約15cmのフライパンに油を流して温まるのを待つ。しかし、フライパンが温まる様子はない。

固形燃料に火が付いているにもかかわらず生のままの卵(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 フライパンに卵を投入したが、音も立たずに生のままの卵が流れた。その後、時間が経過するにつれて徐々に白身が固まっていったが、ついに目玉焼きになることはなかった。固形燃料は先ほどの計測と同様に、25分過ぎに火が消えた。

最終的に白身が半分しか固まっていない(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 ボイル調理についても結果は同じ。炊飯時にお湯が沸騰しなかったので、ある程度結果は見えていたと言わざるを得ない。水が熱湯にならずに固形燃料は燃焼しきってしまった。