チェキといえば、シャッターを押すと撮った写真がその場でプリントされるというアナログなイメージがないだろうか。撮ってすぐ、写真が手に入るのがチェキの最大の魅力だが、撮影に失敗した場合はフィルムがもったいなく感じる。

 しかし、FUJIFILMが販売するチェキの最新機種「instax mini evo」では撮った写真がカメラ内にデータとして保存されるため、写真と撮ったあとにプリントしたい写真を自分で選ぶことができる、ハイブリットタイプのインスタントカメラだ。アナログ操作で“思い出”を創りあげる楽しさはまさに唯一無二!

 チェキの魅力といえば、アウトドアでも楽しめるところだろう。自慢のキャンプギアをプリントするもよし、グループキャンプでの思い出に、一人ひとりにチェキをプレゼントして、思い出もカタチに残すこともできる。

 ほかにも、登山での完登の記念として、アウトドアでしか見れない景色をチェキで撮るのもおすすめだ。

 「instax mini evo」は、2021年12月の発売当初から話題になっていたが、あまりの人気ぶりに定価以上の値上がりや入荷待ちが続いた。やっとの思いで手に入れた方も多いのではないだろうか。

 筆者もその中の一人で、購入価格は2万9870円。発売日から半年以上経っていたのに、在庫を見つけるのは大変だった。

 買った当初は使いこなせるか心配だったが、実際は「キャンプ」や「登山」などの「アウトドアアクティビティ」から、ちょっとした「お出かけ」や「旅行」まで使え、今では手放せない相棒だ。

 「スマホのカメラで良くない?」という思いが無かったわけでもない。しかし、instax mini evoにはスマホのカメラに負けない「確かな」魅力がある! 実際に使用してわかったその魅力を、デメリットも含めて解説していく。

■メリットその1 歴代のチェキで「最高」のデザイン/機能性/軽さ

最高のデザインと機能性を誇る(撮影:ソラ)

 数年以上も前からインスタントカメラの購入を考えていた筆者だが、探してみても「これだ!」というチェキにはなかなか出会えなかった。選ぶ際に求めていたのは、メーカーが「富士フイルム」でフィルムサイズが「mini」なこと。

 他メーカーでは、お手ごろ価格かつクオリティもなかなかのインスタントカメラがある。なぜ富士フイルムにこだわったのかというと、大手なのでフィルムがどこでも買え、ペーパー/シール式のフィルムと比べて、耐久性が高いからだ。

 また、フィルムサイズは真四角の「SQUARE」、横長の「WIDE」、カードサイズの「mini」と3種類があるが、筆者はコンパクトで持ち運びやすく、一般的なサイズの「mini」を求めた。 

比べてみると分かる「mini 90(左)」と「 mini evo(右)」のサイズ感の違い。(撮影:ソラ)

 とくに気になっていたのが、レトロなデザインがすてきな「instax mini 90」と機能性の高い「instax mini LiPlay」。しかし、「instax mini 90」はサイズが大きめで少し重め、縦長で幅が分厚く、鞄などに入れづらい。

 そのうえ「スマホからのプリント」「タイマー機能」などが無くアナログ感が強すぎる。「instax mini LiPlay」は機能性が抜群だが、デザインが近代的なデジカメのようで、アンティークなデザインを求める筆者は購入を諦めた。

 そんな折、発売されたのが「instax mini evo」。シンプルなアンティークデザインは、まさに唯一無二。そして、どこで持ち歩いても違和感のないクラシック感!

 そのアナログな見た目とは裏腹に「スマホからのプリント/シャッター」「気分で選べるプリントモード」「100通りのエフェクト」など機能性は抜群だ。アナログとデジタルの良いとこ取りが、「instax mini evo」にしか出せない魅力を発揮させる。

 また、重さも285gと重すぎず、サイズも87(幅)×122.9(高さ)×36(奥行)mmとコンパクトだ。参考価格は2万5800円。 

■メリットその2 アナログ操作ならでは!「思い出」を創り出す楽しさ

液晶モニターの右上にある「フィルムダイヤル(写真左)」とカメラ正面に付いている「レンズダイヤル(写真右)」(撮影:ソラ)

 「レンズダイヤル」と「フィルムダイヤル」、それぞれ10種類のエフェクトがあり、100通りものパターンを組める。機械操作に疎い方から、撮影にこだわりのある方まで、年齢や性別を問わず、誰もがダイヤル操作を楽しめるだろう。

撮影の度にドキドキ感を楽しめるレバーとアニメーション演出(撮影:ソラ)

 プリントの際は、ほかのカメラのように、ただボタンを押すのではなく、レバーを引いてプリントする。この、ひと手間かけてレバーを引く、アナログな使用感がすてきだ。また、印刷の際には写真が上へとプリントされていくアニメーション演出があり、プリントのたびに尽きないわくわく感を味わえる。

100パターンのエフェクトに2種類の画質で、実質200パターンの撮影を楽しめる!(撮影:ソラ)

 そして、プリントモードでは色彩を豊かに再現できる「リッチモード」か、柔らかい雰囲気の「ナチュラルモード」かで画質が選べる。10種類ずつあるレンズエフェクトとフィルムエフェクトだが、さらに2種類の画質が加わることで、2倍楽しむことができる。

メニューからさまざまな機能を設定することができる(撮影:ソラ)

 ほかにも、「露出補正」での光加減の操作、一人旅に必要不可欠な「セルフタイマー」、10㎝の近距離撮影ができる「マクロモード」、オート設定ができる「フラッシュ」「ホワイトバランス(室内/室外の照明に合わせた撮影ができる)」など、機能が盛りだくさんだ。機能を駆使することで、カメラで再現したいイメージを、思いのまま追求できる。

 アナログ感を味わえるデザインなのに、機能面はまさにハイクオリティ。「ただ撮って、印刷するだけ」だったこれまでのインスタントカメラとは違い、フィルターや機能を使って「自分だけ」のオリジナル写真を残せるだろう。

 デジタルとアナログの良いとこ取りをした「instax mini evo」は、筆者にとって期待以上のクオリティだ。アウトドアアクティビティや旅行先での「思い出」を、アナログ操作で「創り出す」楽しさはスマホのカメラでは味わえない!