■観光列車「ろくもん」で、いざ出発!
しなの鉄道「ろくもん」は、真田三代をイメージして2014年に誕生した3両編成の観光列車。車体カラーは「真田の赤備え」をイメージした深紅一色で、真田の家紋六文銭が並ぶ。車両のデザインはJR九州の「ななつ星 in 九州」などをデザインされた世界的な工業デザイナー、水戸岡鋭治氏だ。美しい車体ゆえ新車にも見えるが、実は国鉄時代に製造された115系近郊型電車からの改造車で車齢は40年を超える。古い車両を大切に使い続けるのも、しなの鉄道のよき社風なのである。車内では信州産ワインと信州の地酒、そして信州の食材を多用した料理を味わうことができる。
「ろくもん」は3両編成で、軽井沢発の列車は後部より、1号車、2号車、先頭が3号車となる。1号車はファミリーカーで、乗車券の他に指定席券(大人1020円、小児510円)があれば乗車できるので、とてもリーズナブル。家族連れにも最適な車両だ。2号車はレストランカー。全体が見渡せるオープンタイプのレストランカーなので、グループでの乗車には最適といえるだろう。
主人公が乗車したのは3号車。障子や白木を多用した純日本風のインテリアで、列車の中とは思えないほど。まるで老舗の旅館のようだ。この旅は母娘二人旅、女手一つで育ててくれた母へのプレゼントだった。
軽井沢10:34。「ろくもん」発車! ほどなくウエルカムドリンクが提供される。母はマンズワイン小諸ワイナリーソラリス信濃リースリング辛口2019、娘は信州りんごジュースを選んだ。間もなく、進行方向右側に浅間山が現れる。速度を落として走るのでゆっくりと見ることができる。
そして、洋食のサービスが始まった。まず前菜5種、パン、そしてスープと続く。この日の前菜は蓼科麦豚と信州茸のテリーヌ、軽井沢産ルバーブのソース。軽井沢産枝豆のブランマンジュと信州サーモンのポワレ。トマトのジェラティーナとクリームチーズのカプレーゼ仕立て。高原野菜のオーブン焼き、木の花屋の戸隠大根ソルト。黄金シャモのスモークとキングケールのサラダ仕立て、信州林檎のソース。パンはヨモギのフォカッチャと味噌バケット、スープは軽井沢産南瓜のポタージュスープだった。
そして、メイン料理へと続く。魚料理はシナノユキマスのソテー、八幡屋磯五郎ろくもん七味とカリフラワーのスパイスソース。肉料理は信州プレミアム牛のロースト、マンズワインソラリス赤ワインソースだった。途中の上田駅に約10分間停車し、ホームでは銘菓みすず飴の販売も。
上田を出発すると、ドルチェが出てくる。信州産フルーツタルト、南瓜のカスタードクリーム、軽井沢産人参のキャロットケーキ。そしてミカド珈琲・ほうじ茶。二人は美味しい料理と素晴らしい車窓を堪能しながら、思い出話に花を咲かせた。
漫画はここで終わるのだが、「ろくもん」はこのあと戸倉駅に18分間停車し、ホームでは温泉饅頭販売がある。そして12:30頃にはお土産として「信州味噌」がプレゼントされ、長野駅に12:49に到着する。
しなの鉄道(公式) https://www.shinanorailway.co.jp/