雪国暮らしの永遠の悩み「雪かき」。冬の生活の一部と言ってしまえばそれまでだが、高齢者にとっては過酷な作業であり、雪に慣れている方も、日々降り積もる雪にうんざりすることも多いのでは。

 今回はそんな「雪かき」を楽にするポイントを、自ら出演した動画「疲れにくい雪かきのコツ」が再生回数45万回超えの大注目となっている、札幌市内で健康運動指導士&スキーインストラクターとして活躍する森脇俊文さんに伺った。

■「雪かき」のための事前準備

 2022年、札幌市にはこれでもかというほどの雪が降りました。当たり前ですが、雪はこちらの都合を考えず、不定期に降ってきます。時には、ものすごい量の積雪に、心がポッキリ折れてしまいそうになります。

 今回は2022年の大雪を記憶に残すつもりで、当事者として、スポーツトレーナーとして、「雪かき」を楽にする方法を伝授いたします。

●重要なのは「天気予報」と「作業時間の確保」

 大雪に対してとるべき対策で、最も重要なのはこまめな天気予報のチェック。雪が降ることを事前に知ることができれば、早起きなどが可能となります。そして、それは同時に「雪かき時間の確保」にもつながります。

 「天気予報のチェック」「雪かき時間の確保」。この2つがみなさんの体を雪かきから守る、最大の対策なのです。また、予期せぬ雪かきの機会をなるべく減らすことで、メンタルへのダメージ軽減も期待できると考えています。

●雪かきで痛めやすいのは「腰」

 雪かきは冬場のみの作業です。例えるならば、老若男女、運動経験の有無に関わらず、どんな人にもハンディキャップなしで突然求められる、ウエイトトレーニングのようなものです。トレーナーとして、こんなメチャクチャなエクササイズはおすすめできません。

 ウォーミングアップなしで、最適な重量設定などもなく、スコップに乗った重たい雪を投げたりスノーダンプを押し上げたりするのですから、腰痛にならないほうが不思議なくらいです。

 では、なるべく腰へダメージを与えないためには何に心がければよいのか。これからご紹介する対策は、決して除雪から完全に腰を守るという話ではありません。自分の体を守り、万が一のダメージを最小限度にとどめるための知識として、頭の片隅に置いておいてもらえれば幸いです。