本州と九州を隔てる関門海峡。海上交通の要であり、源平合戦の「壇ノ浦の戦い」や武蔵と小次郎の「巌流島の戦い」など、歴史の舞台にも名を残してきた場所だ。

 今回はこの関門海峡を大パノラマで望めるビュースポットとして、風師山・風頭(かざしやま・かざがしら)からの眺めを紹介したい。

■いざ出発! 大正当時の姿に復原された門司港駅がスタート

保存修理の工事を終え2019年に大正時代の開業時の姿が復原されたJR門司港駅(画像提供:北九州市観光情報サイト)

 トレッキングの出発点となる、門司港駅の歴史は人の情をそそる。大正3年に開業したJR門司駅(当時の駅名)は、長らく九州の玄関口としての役割を担ってきた。

 ところが昭和17年に関門鉄道トンネルが開通したことで、門司駅は本州と九州を結ぶ主要路線から外れることに。門司駅の名は、トンネルが接続する大里駅に泣く泣く譲ることになった。

 名前を失った駅はJR門司港駅と改め、玄関口としての役割も終える。戦火をくぐり抜けた駅舎は、戦後の発展をこの地で静かに見つめてきたのだ。

駅ホームも見どころのひとつ。ひらがなの駅名標がノスタルジックで旅情をかきたてる(画像提供:北九州市観光情報サイト)

 近年、門司港駅とその周辺は「門司港レトロ」として、再び人々の注目を集めている。駅のホームに降り立った瞬間、ノスタルジックな雰囲気を味わえるだろう。

■門司港駅から1時間半! 子連れでも気軽にアクセスできる風師山

 門司港駅を出たら、風師山の麓にある清滝公園をめざそう。駅から清滝公園までは、歩いて20分ほど。清滝公園から山に入ってしばらくは、舗装された道が続く。道中には紅葉谷や、あじさいの登山道があり、楽しませてくれる。

 麓から40〜50分ほど登ると、車道の終点となり、駐車場とトイレがある(9合目)。ここまで来れば、頂上まではもうすぐ。 足腰に自信がなければ、車道終点の駐車場まで車でアクセスすることも可能。30分ほどの散策気分で、山頂をめざせる。

風師山の登山道は、幼児でも歩きやすいように整備されている(撮影:ブラボーマウンテン編集部)