私が住む長野では、周囲の山々が雲に覆われた翌日に、白く輝く姿を見せるようになってきました。いよいよ冬がやってきたことを実感します。

 今年は気温が高い傾向を感じますが、これからどんな冬が待っているのか楽しみです。夏とは違うリスクが加わる雪山登山ですが、白銀の世界はとても幻想的で魅力なんですよね。今回は、初冬から雪がたくさん降る谷川岳へ雪山の景色を求めて登ってきました。

■人気の谷川岳

ガスの中から見えたトマの耳はすっかり雪化粧

 谷川岳は群馬県・新潟県の県境にある上信越国立公園、三国山脈の山であり、百名山の一つ。頂上は二峰に分かれており、標高はオキノ耳が1,977m、トマの耳が1,963mです。谷川岳はアクセスの良さや、初級から上級まで楽しめる豊富なコースで大変人気の高い山で、登山道が行列になることもあります。

 ロープウェイも通年営業していて、厳しい冬でも登山者やBCなどたくさんの人が訪れます。ただし、晩秋から雪も降りますし、天候が変わりやすいと言われる谷川岳ですから、十分な注意が必要です。

■西黒尾根から山頂を目指す

高度感のある斜面にピッケルを刺して慎重に登る

 谷川岳へは数年前にも冬に訪れており、その時はロープウェイを利用して楽々と尾根歩きが楽しめる天神尾根コースにしました。なので今回は、「日本三大急登の西黒尾根から登りたい」と思い、初冬の西黒尾根に挑戦してきました。

 朝、7時20分に西黒尾根登山口を出発し、11時50分にトマの耳に登頂、肩の小屋で天気の回復を待ち、景色を楽しんだあと13時30分には下山を開始し、天神平駅に15時15分に到着しました。

 降りたての雪だったので、アイゼンはあまり利かないですが、ゆっくり一歩一歩を確認しながら確実に登ってきました。三大急登だけあって高度感はかなりありました。