テント泊は自宅とは違う環境での睡眠となり、腰の違和感や痛みを訴える方が多い。マッサージ師として痛みや不調を抱える方の治療にあたっている筆者も、テント泊の腰痛は悩みの1つで長年悩まされていた。

 そこでマッサージ師としての経験と知識を活かし、本格的に腰痛対策に取り組んだところ、テント泊にて痛みが出ることがほとんどなくなった。

 本記事では、テント泊での腰痛に悩んでいる方に向けて、筆者が行った対策を3つ紹介する。簡単なものばかりなので、試していただきたい。

■腰痛対策その1 自分に合う寝具を見つける

 腰痛対策に最も効果を感じたのは「自分に合う寝具」の使用だ。医学的な観点からも、腰痛には、寝具選びが大切だと言われている。

 テント泊や車中泊に使用される寝具は数多く発売されているが、筆者の場合、腰痛対策に最も効果があったのが、コットだった。

筆者が現在使用しているコット、DODの「バッグインベット」(撮影:瀬川あずま)

 コットはベット面が体の凹凸に合わせて沈み込むため、腰への負担が少なく、痛みが減少したと考えている。

コットに寝た様子。腰や背中の部分がかなり深く沈み込んでいるのがわかる(撮影:瀬川あずま)

 元々は地面に直接敷くキャンプマットを使用していたが、寝心地はよいものの、沈み込むほどの厚さがなかったためか、腰痛が発生していた。その後、厚さを確保するため空気を入れて使用するインフレーターマットも試したが、同様の結果だった。

 最近では自宅用マットレスも、反発の程度や素材など多くの種類がある。マッサージ師として働く中で寝具の相談も多く受けるが、「この寝具を使用していれば間違いない」といった商品はなく、結局は「自分の体に合うかどうか」が最も大切なのだ。

 テント泊でのみ腰痛が発症する人は、自宅のベットとタイプが近い寝具を選んでみるとよい。自宅の寝具用マットが低反発タイプの方は、体にフィットするコットがおすすめ。逆に高反発マットを使用している方は、沈み込みが少ないキャンプマットを試してみてほしい。