■腰痛対策その2 筋肉を温める

 2つ目の腰痛対策は「筋肉を温める」。筋肉は冷えると硬くなり、硬くなると痛みが出やすくなる。そのため、腰回りの筋肉を温かく保つことが大切となる。

 筆者がキャンプで行っている対策は

・焚き火で手足を温める
・腹巻きを使用する
・腰と背中にカイロを貼る
・就寝前に温かい物を飲む

 特におすすめなのが、毛布を使って椅子からの冷気を遮断する方法。

お財布にも優しく簡単にできる対策(撮影:瀬川あずま)

 アウトドア用の椅子は、生地が薄く通気性がよい。焚き火などを行っていると、体の前面は温かいが、背中や腰は冷えているなんてことも。

 ここでひと手間。椅子に毛布を被せるだけで、背中と腰の冷えが緩和される。意外と知らない人も多いが、背中や腰に伝わる温かさが変わるので、試して欲しい。専用の椅子カバーも販売されているが、毛布で十分代用できると感じている。

■腰痛対策その3 就寝前のストレッチ

 就寝前のストレッチも、腰痛対策には重要。血流を増加させ、筋肉を柔らかくする効果が期待できる。今回はテントの中でもできる簡単なストレッチを3つ紹介する。

●太もも(前面)のストレッチ

1. 仰向けになり、片方の膝を曲げる

腰痛が出る場合は痛みのない範囲で行う(撮影:瀬川あずま)

2. 手で足首を掴み、膝を折りたたんでいく

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)を伸ばす(撮影:瀬川あずま)

 太ももの前面が伸びていればOK。太ももの前後の筋肉が固まっていると、腰痛を発症するケースは多い。しっかり伸ばして、筋肉を温め腰の負担を軽減しよう。

●太もも(後面)のストレッチ

1. 座って片方の足を曲げる

なるべく背筋を伸ばす(撮影:瀬川あずま)

2. 伸ばしている足に沿うように、上半身を倒していく

ハムストリングスを伸ばす(撮影:瀬川あずま)

 太ももの後側を伸ばすストレッチ。前述したように、太ももの前側と併せて、太ももの後側も腰痛対策には重要な筋肉。

●臀部(お尻)のストレッチ

1. 仰向けで膝下を抱え込む

腕に力を入れすぎないようにリラックスして行う(撮影:瀬川あずま)

2. お腹の方向へ引き寄せたあと、内側に倒す

大臀筋(だいでんきん)を伸ばす(撮影:瀬川あずま)

 臀部の外側を伸ばすストレッチ。臀部と腰の筋肉は関連性が強く、互いに影響を与え合っており、腰痛に対して臀部のストレッチは効果的だ。

■腰痛対策をして、より快適で楽しいキャンプを

 せっかくのキャンプも、就寝時の腰痛が不安で楽しめない。腰痛経験者である筆者には、その気持ちが痛いほどわかる。

 キャンプで自然を味わう時間は、アウトドア好きにとっては唯一無二。その時間がより満足度の高いものになるよう、今回の記事が腰痛に苦しむ方の参考になれば幸いだ。