登山に興味はあるが、敷居が高いと思っている人は多いのではないだろうか。そんな人にこそ触れてほしい作品がアニメ『ヤマノススメ』だ。

 『ヤマノススメ』は現在シリーズ4期目となる『ヤマノススメ Next Summit』が、TOKYO MXほかにて放送されている。

 本格的な登山知識が学べる登山”アニメ『ヤマノススメ』とは、どういった物語なのか、作品の内容も含め実際に学べる知識をいくつか見てみよう。

■「登山が趣味」の作者が描く、本格アウトドア作品

 『ヤマノススメ』とは、女子高生による登山をテーマとした、ゆるふわアウトドアストーリーだ。作者のしろ氏は実際に登山を趣味としており、実在する山や風景なども鮮明に描かれている登山への情熱が溢れる作品になっている。

 主人公はインドア趣味で高所恐怖症の「雪村あおい」と、父の影響で登山は大好きだが、経験や知識はまだまだ初心者の「倉上ひなた」の2人。登山初心者の彼女たちが少しずつ道具を揃え、知識を増やしていくため、彼女たちと同じペースで読み手も登山について学ぶことができる。もちろん、ゆるふわで楽しいだけではない。富士山での挫折など、厳しい山登りでのリアルも描いている。

■主人公も感じていた、登山って何が楽しいの?

展望スポットで昼食を摂る登山客と、カメラを構える登山客(撮影:仲地宏樹)

 キツい思いをしてなぜ人は山に登るのか。そう思う人も少なくないだろう。登山初心者の「雪村あおい」も、初めは登山に興味はなかったが、山梨県の三ツ峠山でその魅力を知ることになる。

 本格的な登山が初めてだったため、途中でバテてしまうが先輩たちのフォローもあり登頂に成功。自分の足だけで登頂したことの充実感や美味しい空気、壮観な景色に興奮を抑えられないでいた。さらには下山後の温泉など、さまざまな楽しみ方があることが描かれている。

豆をミルで挽き、ドリッパーで抽出する(撮影:仲地宏樹)

 アニメ3期第6話では山頂で飲む山コーヒーについて描かれている。言葉の通り、山でコーヒーを飲むこと。ただそれだけだが、普段のコーヒーとは一味違ったものになる。山頂で気持ちのよい風に吹かれて飲むコーヒーは絶品だ。豆をミルで挽く手間も、山では楽しみに変わるだろう。