■雲海が発生する条件

かめおか霧のテラスから見た山霧が亀岡盆地に流れ込む様子(撮影:野口宣存)

 亀岡盆地に霧がたまって雲海が発生する原因は、放射冷却だ。雲がない天気が良い夜間では、地表の熱が宇宙に逃げてしまい、夜から朝方にかけて気温がぐっと下がる。すると空気中の水蒸気が水滴となり空気中を漂う。これが霧発生のメカニズムだ。

 そして、冷たい空気は重いので下に下がる。盆地では四方を山に囲まれているので、霧の逃げ場がない。そのため盆地にたまった霧が雲海となるのだ。

 ただし霧の発生は自然現象なので、雲海が発生しない日もある。例えば曇りの日は雲がふたになって地表の熱が宇宙に逃げないので、放射冷却が発生せず霧は生まれない。風の強い日は風が霧を散らしてしまうので、たとえ天気が良くても雲海には出合えないだろう。

 雲がない晴天で、かつ風の弱い夜であることが雲海の発生条件だ。気象庁の濃霧注意報も参考になる。またかめおか霧のテラスに限って言えば、亀岡市観光協会のWEBサイトにライブカメラ映像がある。したがって近隣に住んでいる人であれば、雲海発生を確認してからかめおか霧のテラスを訪れることも可能だ。

 なお、雲海が発生するということは気温が低いということだ。防寒対策はしっかりしておこう。また霧は水蒸気なので、服が濡れてしまうこともある。そのため雲海を見に行くときは、カッパなどを着用して行くこともおすすめだ。