■POINT5:「周辺にトレッキングや川遊びができる自然がある」

草原の向こうに根子岳が見える菅平高原スキー場の夏

 キャンプ場が広く、そこだけで楽しめるなら別だが、プライベートなキャンプ場ではそこまでの規模は見込めない。お昼頃着いてテントを設営し、夕食までに数時間あるような時、キャンプ場を出て周辺の自然をハイキングしたり、川遊びができたら最高だ。

 個人的には季節ごとに行きたい場所が異なるのが難しいところ。

 早春だったら渓流沿いで、石の裏にいるカワゲラやトビケラの幼虫を観察して過ごしたい。GW前後だったら雑木林でさえずる野鳥の声を聞き、足元のスミレやカタクリを観察しながら森散歩をしたい。夏だったら涼しい八ヶ岳でシンプルに避暑か、新潟の山奥でライトに集まるミヤマクワガタや大きな蛾を観察したい。秋だったら東北のブナ林で、紅葉するツタウルシを愛でながらブナやミズナラのどんぐりを拾って過ごしたいのだ。

■POINT6:「wi-fiと電源」

スマホと充電中の写真wi-fiと電源はチェックしておこう

 こういうのは邪道と思う人もいるかもしれないが、「ワーケーション」という言葉もある通り、今やPCと電源と電波があればどこでも仕事ができる時代だ。もはや、スマホは我々のライフスタイルと切っても切れない道具だし、電気を使うキャンプ道具も多くなっている。キャンプ中は自然に電子機器から離れていくものだが、0だとちょっとね、という方々のためにもwi-fiと電源は抑えておきたい。

■POINT7:「隣に宿がある」

<空庭>キャンプ場に併設するロッジ「アボリア」

 この条件は、「空庭」の隣にロッジアボリアがなかったら気づかなかったのだが、仲間や複数のファミリーとキャンプをする場合、隣に宿があることは素晴らしいポイントだ。

 上述した通り、キャンプが苦手な人、テント泊が無理な乳幼児とそのお母さん、あるいは高齢者などがいる場合、コテージ泊でさえ厳しい場合もある。しかし美味しい食事が出るうえに冷暖房完備の宿泊施設が隣にあれば、焚き火だけ一緒に楽しんで、Aさんファミリーは全員キャンプ、BさんとCさんファミリーのうち、赤ちゃんとお母さんはロッジ泊なんてことも可能になる。

■理想形はキャンパーの数だけあるでしょうが

 と、このように今回は、実際にキャンプ場作りに参加してみて私が獲得した「最高の体験ができる貸切小規模キャンプ場が持つ7つの条件」を紹介した。

 当然、異論反論がある方もいるだろう。キャンパーの数だけ理想形は存在するだろうが、「あくまで私が利用するなら」という個人的な意見ということで。

 最後の7つめは相当難易度が高いだろうが、もし存在するならば、この7つの条件をできるだけ数多く満たす「貸切小規模キャンプ場」を私は利用したい。普通のキャンプ場に比べれば多少価格が高くなろうとも、家族でテーマパークに行ってホテルに泊まることに比べれば全然安い。

 混雑はもう嫌だ。仲間と真に豊かなキャンプ時間を過ごしたい。そんな方は、ぜひ貸切小規模キャンプ場を探して、一度利用してみてほしい。