●カナムグラ
ジャパニーズホップと言われるカナムグラはアサ科のつる草で、棘が痛いうえに繁殖力が強く、辺り一面を覆い尽くす。花粉の飛散シーズンは、初秋から初冬にかけてと比較的長い。花粉の量は他と比べて少なく飛散距離は数メートル程度だが、どこにでも生育してるため接触するリスクが高い。主な症状はヨモギと同じだが、アレルギー性結膜炎の症状が出る人もいる。
●ブタクサ
キク科ブタクサ属の一年草であるブタクサは、風で花粉を飛ばす風媒花の代表格。日本でスギとヒノキに続く花粉症の原因として3番目に多いのがブタクサだ。しかし、それより更に厄介なのがオオブタクサだ。ブタクサが体調1m以下なのに対し、オオブタクサは2〜3mになり、繁殖力も強い。花もより密に咲くので花粉も多く、花粉症の人にとって大変厄介な植物だ。
ブタクサ、オオブタクサのどちらも他の植物同様に、温暖化の影響で飛散シーズンが長くなっている。日本だけでなく、世界的にも花粉症問題が深刻化しているため、国際的な対策が望まれている。
■花粉症予防と対策
今回紹介した植物の花粉は、スギやヒノキなどの針葉樹とは異なり遠くに飛散することはない。しかし我々の身近で生育しており、知らないうちに近づいて花粉を浴びてしまうことがあるのがとても厄介だ。
これらの草の花粉は粒子が小さく、一度吸い込んでしまうと気管支にまで入り喘息のような症状を起こすこともあるのでくれぐれも注意したい。
対策としてまず、花粉を浴びないこと。写真などで葉の形状をしっかりと記憶しておくことも予防策になる。しかしよく似た植物もあり、すべてを記憶することは困難。調べることを前提でスマホに植物を識別できるアプリを入れておくことも十分な花粉症対策になるのでオススメしたい。
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また、身近な範囲に生息しているものは花が咲く前に除草しておくこと。マスクや保護具の着用など春の花粉症と同じ対策を秋でもしておくことが大切だ。それでも発症した場合は早めに専門医を受診し、適切な処置を受けることをおすすめする。