登山靴は「ハイカット」「ミドルカット」「ローカット」の大きく分けて3つの種類がある。それぞれ特徴が異なり、ふさわしい登山スタイルやフィールドもさまざま。

 本記事では、登山ショップ店員の筆者が、初めて登山靴を買う人や、2足目の購入を考えている人向けにそれぞれのメリット・デメリット(注意点)、適切なシーンなどを解説。

■ハイカット登山靴のメリット・デメリット

ハイカットは足首のグラつきをサポートし、段差で踏み込みやすい

 くるぶしの上までを覆うハイカットは、足首のグラつきをおさえるのが特徴。山歩きに慣れていない初心者や、長時間の歩行で疲れた足でも安全に歩行できる。また、全体的に硬く作られているため、段差を登る際にも踏み込みやすく、比較的楽に体を持ち上げられるのがメリット。

 一方、ハイカットは全体的に硬く、ほとんど曲げられない一般的な靴のようにしなやかに曲げられないため、慣れていないとつまずいて転倒したり靴擦れのリスクがある。これは、一般的な靴のように、かかとから着地し、つま先で地面を蹴る歩き方でしばしば起こる。そのため、ハイカットを履く際には、つま先とかかとを同時に着地する「フラットフッティング(べた足)」を意識しよう。