北海道の中央部に位置する、大雪山国立公園。そのなかでも、北海道最高峰の旭岳(標高2,291m)の紅葉は、日本一早い紅葉のひとつとして知られている。例年9月中旬から下旬にかけてピークを迎え、日ごとにその彩りは麓へと移っていく。

 今年の紅葉は、例年よりも早めという情報も。この記事では「大雪山旭岳ロープウェイ」で行ける散策路と、現在まさにピークを迎えようとしている紅葉の様子をレポートする。

■旭岳へのアクセス

大雪山旭岳ロープウェイ「姿見駅」(撮影:佐藤麦)

 旭岳の玄関口となるのが、旭川空港から車で1時間ほどの場所にある「大雪山旭岳ロープウェイ」。「山麓駅」から、標高1,600mの5合目「姿見駅」までを約10分で結ぶ。

 大雪山旭岳ロープウェイへは、車だけでなく旭川駅や旭川空港、道の駅ひがしかわ「道草館」、「旭岳温泉」などをめぐるシャトルバス「いで湯号」で行くこともできる。この機会に、麓の街での散策を楽しむのもおすすめ。

 筆者が訪れたのは、9月10日。混雑する昼間の時間を避け、朝8時頃に車で大雪山旭岳ロープウェイ駐車場を訪れたが、休日だったこともありすでに7割ほどが埋まっていた。混雑時は、周辺の臨時駐車場利用もアナウンスされている。ロープウェイの運行情報とあわせて、ホームページでチェックしてほしい。

■「姿見の池 周遊コース」と散策時の服装

 この日、筆者が歩いたのはロープウェイを降りた「姿見駅」から「姿見の池」までを巡る、約1.7kmの周遊コース。5つの展望台を巡る、1時間ほどのコースだ。散策路が整備されていることもあり、観光で訪れる人も多い。

「姿見駅」では「3分レクチャー」のほか、入林届(入山届)も提出できる(撮影:佐藤麦)

 「姿見駅」で降りると、散策路を歩く乗客を対象にした「3分レクチャー」が実施されていた。天気や気温、コース概要のほか散策路のマップも配布されており、心強い。今年は季節の進みが早く、紅葉も例年より少し早いそうだ。

 著者が訪れた9月上旬には、紅葉のピークまであと少しといったところ。今月中旬から末にかけては、さらに色を深めそうだ。

「姿見の池 周遊コース」散策路から見た旭岳(撮影:佐藤麦)

 この日の天気は晴れ。「3分レクチャー」のボードに記載された気温は10℃。乗客の服装は、半袖から厚手の上着を着ている人までさまざまであったが、長袖のシャツやウィンドブレーカーを着ている人の割合が多かった。年によっては、9月に初冠雪が観測されることも多い旭岳。温度調節のしやすい服装で、雨風をしのぐレインウェアなども持参すると安心だ。

 散策路が整備されているとはいえ、ガラガラとした岩の転がる道が続く。底のしっかりした靴や登山靴がベストな選択となる。雨で散策路がぬかるんでいる際には「姿見駅」で長靴がレンタルできる。散策路には、水場やトイレはないので、こちらの準備もお忘れなく。