■朝、目の前に広がる立山連峰
いつの時期に行くかにもよるが、日の出の時刻の40分前には起床したい。例えば、秋分の日(9/23)であれば高岡市の日の出は5時41分だが、5時には起きてテントを出たい。その日の天気次第だが、目が覚めるような絶景が広がる。
「義経岩」は、鎌倉幕府の追捕を受けた源義経主従が奥州へ落ち延びる途中、にわか雨の晴れるのを待ったという岩で、地名「雨晴(あまはらし)」の由来となっている。
ガイドブックなどで、この構図の写真を見たことのある人は多いのではないかと思う。有名なのは「義経岩」だが、真ん中に写っているのは「女岩」。休みの日だからというのもあるが、多くのカメラマンが望遠レンズを構えて撮影していた。自分が納得する写真を撮影するために、何度も通っているのではないだろうか。
筆者は剱・立山や薬師岳から下山した後、よくこのキャンプ場を使う。あの稜線を自分は歩いてきたのかという感慨に浸りながらシャッターを押す。日の出前後の短い時間の間、設定や場所を変えて何枚も撮る。
北アルプスと「女岩」の構図を撮った写真は、空気が澄みわたり山々が真っ白になる冬の晴れた日中のものが多い。しかし、筆者は季節を問わずこの早朝の景色がたまらなく好きだ。どんなにいいカメラを使い撮影の腕を磨いたとしても、この瞬間の素晴らしさは伝えられない。