焼け付くような日差しは少なくなってきたものの、まだまだ暑さの残るこの季節。少しでも清涼な空気を楽しみたいのなら、霧ヶ峰散策がおすすめ。

 霧ヶ峰は1,925mの車山を主峰に持つ、なだらかな起伏のある高原。高原植物が草原を染める季節はもちろん、夏のキャンプやグライダー、冬のスノートレッキングなど、一年中どこを切り取っても自然の魅力で溢れている。

 またアルプスや八ヶ岳、遠くの富士山をも一望でき、歩きやすく整備された登山道が整っている人気のハイキングコースだ。

 今回は、そのなかでも観光客に人気の車山や八島ヶ原湿原を避け、霧ヶ峰らしい眺望が楽しめるルートを紹介したい。

■ゼブラ山を目指して登山スタート

 車山肩駐車場に車を停め、登山口から最初に目指すのは1,776mのゼブラ山。草原を下ってしばらく歩くと八島ヶ原湿原、車山湿原の分岐に出るため、八島ヶ原湿原方向へ。飛び交う蝶を観察し、抜けるような空を見上げながら、平坦な道を歩く。

 さらに進むと、奥霧キャンプ場跡にあるバイオトイレが見えてくる。ちなみに今回紹介するルートでは、ここが最後のトイレスポットとなる。

ステンドグラスのように美しいアサギマダラが飛び交う(撮影:プリチャード香里)

 ここから最初の傾斜が現れ、登り切るとゼブラ山(1,776m)の頂上だ。なだらかな曲線を描いた霧ヶ峰の山々や八島ヶ原湿原の全景が見え、美ヶ原や浅間連山の姿も確認できる。吹き抜ける風が時折きつく感じるが、夏の終わりを感じる心地よい時間が流れる。

ゼブラ山頂上(1,776m)(撮影:プリチャード香里)
ゼブラ山頂上から見た八島ヶ原湿原(撮影:プリチャード香里)