登山やトレラン、キャンプなどのアウトドアシーンで時々見かける格子状や半透明の生地。それらは「X-Pac(エックスパック)」や「ダイニーマ(キューベンファイバー)」などと呼ばれ、科学の進歩によって誕生したハイスペック素材だ。
今回は登山ショップスタッフの筆者が、近年よく使われている機能素材を紹介。機能素材を知り、アウトドアギア選びが楽しくなること間違いなし。
■軽量でありながら強靭な「ダイニーマ・コンポジット・ファブリック」
「ダイニーマ・コンポジット・ファブリック」は透け感のある、フィルム状の生地。鉄の8倍の強度をもつといわれるダイニーマ素材を、さらにラミネート加工したもので、和紙のように軽量ながら強靭で防水性も兼ね備えている。
ウルトラライトのテントやザック、スタッフバッグなどに使用されており、少しでも登山装備を軽くして速く歩きたい「ファストパッキング・スピードハイク」好きの間で絶大な支持を得ている素材だが、単価は非常に高い。
使い始めはパリッとして光沢があるが、使い込んでいくうちに折りジワがついて柔らかくなる。そういった変化を楽しみたい人にもおすすめ。
■水玉が転がるように弾く「X-Pac」
ダイヤ型の模様が特徴的な「X-Pac」は、ヨットの帆でシェアNo.1を誇るアメリカのディメンションポリアント社が開発した素材。裏表があり、パリパリとした質感が特徴。また、防水性が高く、濡れても水玉が転がるように弾く。
軽量でカラーバリエーションも多いことから、ウルトラライトのバックパックに用いられることが多く、一般的なナイロンのバックパックと比べ、半分程度の重さで仕上げられる。
X-Pacを使ったポーチなどは比較的手に入れやすい価格で販売しているので、X -Pacの強度や防水性が気になる人やウルトラライトなギアを集めたい人は、ぜひ試してみてほしい。