■行動時間は欲張らずに
一般的な登山者の場合、1日の行動時間の目安は8時間以内に収めたい。日常生活を顧みれば、それでも十分に非日常の重労働のはずだ。自覚していなくても消耗も激しいはず。
通常は目的地が山頂の登山。歩くにつれ標高も上がり疲労も溜まる。ペースダウンする可能性は大きい。さらに下山が待っている(登山の事故は下山時に起きることが多い)。山中で宿泊する場合は、慣れない環境や標高などでしっかりと休息、疲労回復できないこともある。
万が一の事故が起きた際の対応を考慮すると、行動時間が長いほど(日没に近づく)リスクが高いことを忘れずに。また、登山相談所や救助現場で常々感じているのだが、行動時間が短いからといって、遅い時間に歩き出す登山者も同様だ(移動の事情などはよく分かります)。
■コースタイムはあくまで目安・自分のペースを把握していることが大事
勾配のほとんどないような林道歩きは、登山を始めたばかりでも速い人もいる。けれど、足場の悪い急坂では途端にペースが落ちる。これは日常でよく歩いていても山歩きに慣れていないためだと思われる。何も悪いことではない。大事なのは、自分の無理のないペース・状態を把握できているかどうかだ。
コースタイムついて述べたがあくまでも目安だ。その通りに歩く必要はない。自分の状態に合わせて臨機応変に状況を判断して最善策を取る。それも登山の醍醐味だと思う。
ただし、登山計画はしっかりと練って登山計画書(登山届・入山届)の提出を忘れずに。より安全で快適な登山につながりますよう。