「登山」でビギナー向けといえば「高尾山」というイメージがあるが、そんな高尾山のように気軽に行けて、しかも絶景を楽しみながらランチまで食べられる、そんな低山があるのをご存じだろうか?
今回はいつも山頂のランチを楽しみに登る、筆者の選りすぐり低山を3つ紹介する。関東近郊なので、都心からもアクセス良好。登頂の達成感を味わいながらご褒美ランチに舌鼓を打とう!
■意外と穴場! 高尾山からほど近い「陣馬山」

神奈川と東京の県境にある陣馬山(じんばさん・標高855m)は、JR高尾駅から中央本線で2つ先にある藤野駅で下車。登山口までは主に路線バスでアクセスする。
駅からは一番近い陣馬登山口まではバスで5分、山頂まで最短距離の和田までは14分。車の場合は、和田峠にある駐車場に停めると山頂まで30分でたどり着くことができる。
自然を堪能するには和田第二尾根コースがおすすめ。ゆっくりめに歩いても1時間30分ほどで山頂にたどり着く。山頂に近づくと陣馬山のシンボル白馬象が見えてくる。360度ビューの広い山頂にたたずむどっしりとした白馬像は圧巻。陣馬といえばこの白馬像なので山頂に到着したら必ず記念写真を撮っておこう。

そして陣馬山のもうひとつの象徴、山小屋「信玄茶屋」と「清水茶屋」だ。
「信玄茶屋」のおすすめは注文してからドリップしてくれる美味しいコーヒー! 山頂で絶景を眺めながら飲むコーヒーは格別である。ただし、「信玄茶屋」は土日祝のみ営業なので注意しよう。
関東山小屋ご飯ランキング第3位に選ばれたこともある「清水茶屋」のけんちん汁は絶品! 汗をかいた体に染み渡る。ぜひともご賞味あれ。
●【MAP】陣馬山
■どっしり富士がお出迎え!「金時山」

新宿から小田急線で約2時間、特急ロマンスカーを使うと最短75分で着く人気観光地箱根には、登山も景色も味覚も温泉も楽しめる低山がある。童話「金太郎」で有名な金時山(きんときやま・標高1,212m)だ。
「箱根湯本」駅から箱根登山バスで約25分で「金時登山口」に着く。筆者のおすすめは見晴らしのよいこの登山口から登るコース。土日は混雑が予想されるので、可能であれば平日が狙い目だ。
登山道は整備されているが、登りは決して緩やかではなく急こう配が続く。途中でひらけている場所が数か所あり、休憩がてら立ち寄って目の前に広がる景色をゆっくり堪能してほしい。そして上に進むに連れて階段もきつくなるので自分のペースでゆっくり進もう。
きつい登りが終わると、そこには雄大な富士山がそびえ立つ絶景が! 晴れた日には富士山はもちろん、相模湾や駿河湾、芦ノ湖などが楽しめる。
山小屋は「金時茶屋」と「金太郎茶屋」があり、「金時茶屋」はなめこ汁が絶品! 塩分が汗をかいた身体を芯から癒してくれる。登山者向けに準備されている撮影用のまさかりがあるので、富士山をバックに担いで記念写真を撮るのを忘れずに。
「金太郎茶屋」の名物はまさカリーうどん。絶景を見ながらうどんを食べて消費したエネルギーをしっかりと補給してほしい。
下山後には箱根の日帰り温泉で疲れた体を癒してから帰路に着こう。
●【MAP】金時山
■かながわの景勝50選! 絶景が拝める「大山」

新宿から小田急線で約60〜70分でアクセスでき、山の中腹まではケーブルカーで行ける大山(おおやま・標高1,252m)は関東近郊の低山の中でも絶景が拝めるスポットだ。
一番人気のコースは、伊勢原駅からバスで大山ケーブル駅まで行き、ケーブルカーに乗って大山阿夫利神社下社からスタートするコースだが、初心者におすすめなのは秦野駅からバスで移動し、ヤビツ峠から登る最短ルートだ。

山頂までの道のりはどのルートで行っても比較的しっかり整備されており、安心安全に登山が楽しめる。
「阿夫利神社下社」スタートの表参道コースはゴツゴツした岩があるので、転倒しないように注意が必要だ。鳥居が出てきたらそれが合図、もう一踏ん張りで山頂に到着。山頂からは広く見渡せる相模湾や富士山などが拝め、こんな景色が都心からほど近い場所で見られたのかと思うほどだ。
山頂には「大山山頂茶屋」があり、名物の山菜そばを食べながら絶景を堪能できる。下山中には大山阿夫利神社下社近辺にある茶屋「さくらや」やオシャレな茶寮「石尊」などに立ち寄り、美味しいお茶などを堪能し、楽しみながら下山したい。
●【MAP】大山
■登山とご褒美ランチ、どちらも楽しもう
絶景を眺めながらのランチはどんな高級レストランよりも贅沢で美味しく感じ、筆者が登山にはまるきっかけにもなった。自分でお湯を沸かし、カップラーメンを食べるもよし、こだわりの山ランチを楽しむもよし、山小屋があれば気楽にランチを楽しめるので、それぞれ好みにあったご褒美ランチを楽しんでほしい。