■休憩はいつ? どれくらいがいいの?
では休憩はどれくらいの頻度で? 長さはどれくらいが適切? ケースバイケースなのだが、一般的には1時間〜1時間半歩いたら約5〜10分休憩する人が多いのではないだろうか。これはパーティーの足並み(歩き慣れている・荷物の重さ)やルートの特性を考慮してバランスを見るべきだろう。
重要で難しいのがバテないようにすること。頻繁に休憩をとりすぎるのも難があるが、無理そうなら様子を見つつ、追加の休憩や歩くペースも含めて臨機応変に考えたい。
「ハンガーノック」いわゆる“シャリバテ”を防ぐには、症状を実感する前にエネルギーを補給する必要があるが、適切な休憩と補給をすることで未然に防ぐことができる可能性が高い。休憩に入ったら「水をゴクゴク」ではなく、最初にエネルギーに変換されやすいもの(エナジージェル等)を摂ることを基本にしたい。
時々食べたそばから元気になる人もいる(笑)が、摂取したものが吸収されるのには時間がかかることを忘れずに。景色を眺めたり写真を撮ったりはその後で。
■休憩場所はどこにする?
時間だけでなく、場所にも注意したい。休憩に不適切な危険箇所で休むことは論外だし、狭いところは避けてなるべく傾斜のない場所が理想的だ(落石が頻繁に起きる沢筋や崖の下で山に背を向けて座り込んでいる様子を見かけるが恐ろしい)。
さらに暑いときなら、なるべく風通しのいい日陰。稜線上では風の裏になるような場所など、体力の回復を図ることができる場所を選びたい。
登山計画を立てるとき、休憩適地を把握して配分まで考慮できると理想的だ。
■休憩のバリエーション
ひと口に休憩と言っても、通常の行動食や水分補給を兼ねた休憩、昼食を取る時の長めの休憩(場合によってはカット)の他にも、ハードな上りの前にはジャケットを脱いだりする「立ち休憩」。難所(技術的・体力的)の前後でも必要に応じて休憩を取ったりもする。
ガイド中などは「写真撮り休憩です」と、景色のいいところで休憩を取ると喜ばれる。だが実際は、リフレッシュして集中力を取り戻すため(危険箇所通過後は意外と事故が多いので)だったり、装備や靴のフィッティングを再確認する作業をしている時もある。
雨天時は視界や足元も悪い上にレインウェアの脱着で時間がかかるので、余分に行動時間を見積もる必要がある。