登山をする人が頭を悩ませるのがザックや荷物の防水対策。天気が変わりやすく気温が低い山では、雨や結露で荷物が濡れてしまうリスクがあり、体調や行動に影響を及ぼすため防水対策は必須である。

 そこで、登山ショップ店員の筆者が山で実践している防水対策を5つご紹介。

■対策1:【王道】レインカバーを使う

 ザックをすっぽりと覆うレインカバーは、王道の防水対策。使い方が簡単で、ザックの汚れも防げる。また、ザックが濡れると重くなってしまい体への負担が大きくなるが、レインカバーではそれが予防できる。特に50L前後の大型ザックを使っている人や、防水性がそれほど高くないザックを使っている人などはレインカバーを使おう。

 一方で、ショルダーハーネスの付け根から水が染み込んでくるリスクがあり、完全防水ではない。また、ザックから物を取り出す際、付けはずしの手間がかかるといったデメリットもある。

■対策2:パックライナーやゴミ袋で内側全体をカバーする

ザックの内側にゴミ袋を入れた後に荷物をパッキングする

 外側を覆うのではなく、ザックの内側全体をカバーする方法もある。パックライナーと呼ばれる30〜50Lの大きな袋や、家庭用ゴミ袋を使い、ザックの中に入れてから荷物を入れることで、ザックの中に雨が侵入しても中身が濡れないという仕組みだ。

 パックライナーが100g前後、45Lのゴミ袋が30g前後と軽量なのも特徴で、ウルトラライト志向の人やレインカバーの付けはずしの時間を削減したい人におすすめ。

 ゴミ袋を使う場合は、無色透明の厚手ポリ袋が良い。破れにくいうえ、シャカシャカ音がしにくいので、山小屋などでも迷惑にならないためだ。

 一方で、ザック自体は濡れてしまうため、重量が増すリスクもある。特に大型ザックの場合は、体への負担が大きくなるので注意が必要だ。