鹿児島県と宮崎県の県境にそびえる、霧島連山の一つの「高千穂峰(たかちほのみね)」。二百名山にも指定されている「高千穂峰」は、ダイナミックな景色が見られる活火山として登山客からの人気を博している。

 そんな「高千穂峰」は、かつて神が降り立った天孫降臨(てんそんこうりん)の山として知られているのをご存知だろうか。今回は、天孫降臨の伝説と「高千穂峰」の魅力をお伝えしていく。

■神が降臨したと言われる「高千穂峰」

神聖な雰囲気が漂う「高千穂峰」の頂上付近

 古事記・日本書紀によると、日本神話の主神である「天照大神(あまてらすおおみかみ)」の孫に当たる「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)」が、神々が暮らす場所から降り立った地が「高千穂峰」の山頂だと言われている。「高千穂峰」は、そんな神のパワーに満ちたスポットなのだ。

頂上にそびえ立つ「天の逆鉾(あまのさかほこ)」

 「高千穂峰」の頂上には、日本神話に登場する「天の逆鉾(あまのさかほこ)」がそびえ立つ。この「天の逆鉾」は、天孫降臨の際に「瓊瓊杵尊」が「天照大神」から預かったもので、国の安定を願うために突き立てたという伝承が残っている。

 実はこの「天の逆鉾」は、坂本龍馬が新婚旅行の際に引き抜いたという逸話もあるそうだ。現在山頂にあるものはレプリカだが、神聖なものであるため登山のついでに一度は見ておきたい。

■日帰りで楽しめる二百名山

 「高千穂峰」の主な登山コースは2通り。

・鹿児島県から登る御鉢を経由するコース
・宮崎県から登る稜線歩きを楽しむコース

 初心者には、登山距離が短く整備された道が多い鹿児島県から登るルートがおすすめだ。ただし、御鉢周辺は足元がザレ場になっているため十分に注意しよう。このコースで登ると、約4時間前後で日帰り登山を楽しめる。

登山の始まりは「高千穂河原(たかちほかわら)」から

 鹿児島県からのコースを選ぶと、登山の始まりは「高千穂河原(たかちほかわら)」から始まる。「高千穂河原」には霧島神宮の跡地があり、登山の無事をお参りしてから登頂に臨もう。