■登山スタート。草原の中の一本道の登山道を歩く

 頂上からの景色だけでなく、登山道から見る三峰山もとても美しく、歩みをすすめながら風に揺れる草原を堪能できる。膝丈くらいの短いクマザサに覆われた緑色の山肌は、まるで柔らかいベルベットのよう。思わずサーっと手で撫でてみたくなる。

 揺れる草原中を1本の登山道が頂上まで繋がり、優しい曲線を描いている。長野の険しく荒々しい山にはいつも圧倒されるが、なだらかな丘のような山の眺望もまたいい。
登り続けると、右手に美ヶ原の王ヶ頭と、そこに建つ電波塔が見える。

奥に美ヶ原の草原。王ヶ頭の電波塔が見える(撮影:プリチャード香里)

 後ろを振り返ると、歩いてきた道がビーナスラインへと続き、車を停めた駐車場が遠くに小さく見える。見渡す限りの緑色のグラデーションが楽しめるのが、夏の登山の醍醐味だ。

山頂へと続く1本の道(撮影:プリチャード香里)
歩いてきた道を振り返ると、駐車場が小さく見える(撮影:プリチャード香里)