■課題のダクトの設置方法

ベニヤを渡すことで、助手席にちょうどよくクーラーを設置できた(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 設置場所が決まったところで、次は排熱ダクトの出し方だ。筆者が購入したポータブルクーラーの排熱側にある2つのダクトは、1つが排熱ダクト、もう一方は吸引ダクトとなっている。排熱ダクトはダクト自体も熱くなるため、なるべく最短で処理したいと考えた。

排熱の熱い空気が誤って吸気ダクトに入ってこないよう、ダクトの向きに気をつけて設置(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 当初、断熱ボードを車の窓枠の形に切り、ダクト用の穴を開けそこから外に出す予定だったため、まず段ボール紙で型紙を作り、仮に装着してみた。

 収まりとしては悪くはなかったのだが、ダクトからの排熱は火傷するほどではないが50℃以上。決して安全とは言い切れない。また、完成品のボードから謎の筒が2本飛び出している光景を、RVパークや仮眠時のSAや道の駅で他の利用客が見れば、驚くであろうし、最悪は通報されかねない。

プラモデル塗装ブース用のダクトアタッチメントはダクトサイズにもぴったり(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 ネットで調べると、プラモデル塗装ブース用のダクトアタッチメントを利用するとよいという情報を得た。塗装ブースとは、プラモデルを塗装する際に使用する仕切られたエリアで、ホコリ付着防止、塗料飛散防止が目的だ。そして、ブース内の排気に利用されるのがこのアタッチメント。注文すると、これまた思った以上に大きいものが届き驚いたが、クーラーのダクトが直径10cmなので、考えてみれば当たり前だ。

ダクトにアタッチメントを装着し、窓から出してみた(本来は窓にマグネット式の虫よけ網戸をつけてからダクトを出すのだが、今回は分かりやすいように網戸を外して撮影)(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 ダクトにプラモデル塗装ブース用のダクトアタッチメントを装着し、窓から出してみる。この方法であれば窓は最小限の開放で済み、収まりがよい。

車内が冷えるまで、スポットクーラーのように冷風を体に当てて涼む(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 車中泊時にリア側を頭にすれば、クーラー本体から離れるため動作音もいくらかましになる。車内が冷えるまでは冷風口に別売りのダクトを着けて伸ばし、天井に着けたネットに引っかけ、スポットクーラーのように冷風が顔や体に当たるようにすれば設置完了だ。

■最優先は車内設置場所の計測

 置き場所を考えず、見切り購入したポータブルクーラー。今回はべニア板を渡すことでなんとか助手席に置けた。ネット通販で購入を検討する際は、本体の「幅×奥行×高さ」を調べるのはもちろんだが、まずは車内置き場所の「幅×奥行×高さ」を調べるのが先決。覚えておこう。