群馬県嬬恋村の標高1,800mに位置する万座温泉。冬はスキー場、夏は避暑地として過ごすことができます。周辺は自然を体感する場所があり、私たちは牛池の木道散策と熊四郎山の山頂見晴台まで軽くハイキングへ。元々の標高が高いので、短時間で絶景ポイントへ辿り着きました。

 散策で軽く汗をかいたので温泉へ! 施設によって泉質が変わるそうです。今回は旦那さんと訪れたので、混浴ができる石庭露天風呂の万座高原ホテルへ行ってきました。

■避暑の木道散策「牛池」

空を映すほど澄んでいる牛池。木道になっていて散策しやすい

 万座温泉に到着。温泉の前に周辺観光したいと思い、観光案内で調べて見つけた「牛池」へ。ぐるっと池を囲むように木道があり、1周は約200mです。池の深さは3mほどで酸性のため魚は生息していません。池の底がはっきり見えるくらい水は澄んでいます。

「モウセンゴケ」葉の表面には露のような粘液が見られる

 この日は木道の脇に食虫植物の「モウセンゴケ」がみられました。朝露をまとったように見えますが、実は虫を捕まえるための粘液です。訪れたときはまだつぼみで、これから花が咲くそうです。うすいピンクの「ツルコケモモ」に紛れている場所もあり、虫を誘き寄せるために花の近くに生息しているようにも見えました。

「ツルコケモモ」に紛れる「モウセンゴケ」

 木道の周りにはさまざまな植物が見られ、白とピンクがかわいい「ウラジロヨウラク」や黄色の小さな花を持つ「ハナニガナ」なども。

ツツジ科の「ウラジロヨウラク」湿原に生息することが多い

 入り口に車を3台ぐらい駐車できるスペースがあります。時々、熊の目撃情報があるため、散策時は熊鈴や音を発するものを持ち歩きましょう。

■30分のハイキングで、標高1,984mからの絶景が

熊四郎山の「万座お参りコース」。アニメから抜け出したような非日常の景色が眼前に!

 万座温泉の湯畑から30分程度で登ることができる熊四郎山があります。万座山の稜線の北端の岩峰です。「万座お参りコース」と呼ばれるハイキングコースなのです。石段が整備されているので、足場は比較的よいです。

 山頂に向かう途中には熊四郎洞窟と稲網宮があります。この洞窟は弥生式土器が出土した遺跡で、昔は漁師が寝泊まりした場所でした。稲綱宮は万座の守り神として祀られています。「無事登って帰って来れますように」とお願いし、山頂を目指します。

 少し急な階段を登り、息切れしながら見晴らし台に到着。万座温泉の全体が見渡せました。たった30分登っただけなのですが、標高1,984m地点なのでとてもいい眺めです。雲がなければ、正面に浅間山が見えていたでしょう。小さな達成感を感じ、口角が上がりました。

 こちらでも時々、熊の目撃情報があるようです。熊鈴を携帯してハイキングしましょう。また、熊が目撃された際は安全のため散策道が閉鎖されることもあるので、事前に万座温泉観光協会のホームページを確認することをおすすめします。

万座温泉観光協会:http://www.manzaonsen.gr.jp/index.php