■通称ニペドン! 悠然とそびえ立つニペソツ山の頂上へ

岩峰部の登山道は歩きやすい。周囲の展望は疲れも吹き飛ぶ大展望

 天狗のコルからいったん下り、ニペソツ山へと近づいていくのだが、視界が良ければ目前にニペソツ山の岩峰部がドーンと目前にそびえ立つ。誰が言ったか、通称ニペドン。まさにその名の通りの圧倒されるような存在感だ。ここから山頂までは急峻な山を歩くが、登山道がうまく付けられており、見た目ほど困難な道ではない。

標高2,013m。ニペソツ山の頂上は意外と広く、ゆっくりとくつろげる

 頂上からの展望は言うまでもない。残雪の残った表大雪や十勝連峰の山々、近くは石狩連峰、遠くは阿寒の山なども見渡すことができる。山を登ってきた充実感を味わえるひとときだ。

表大雪の旭岳からトムラウシ、さらには十勝連峰までの山々を間近に見渡せる

 ニペソツ山が北海道の岳人たちに好まれる理由は、名峰でありながら、手つかずの自然が残った静かな山というところにある。長い道のりを下山した後にも、また行きたいと思わせる魅力に満ちた山。それがニペソツ山だ。