ウィンターシーズンが終わりを告げると、早くも来季モデルの新作情報が届きはじめる。目当てのスキーウェアを買ったはいいが、パンツの丈が長くて「困った」という方はいないだろうか? そんな方に朗報。スキーパンツにはエッジガードや止水ファスナーなどが付いているが、それを残したまま、丈つめが可能だ。個人的な失敗談から、意外と知らないウェアの丈つめをするまでの手順をレポートしたい。
■ネットショップでの購入でありがちな「サイズの失敗」
今や大抵のものがネットで買い物できる便利な時代。「来季の冬はどんなウエアを着ようかな」なんて、ウキウキしながらネットショップをチェックしまくり、やっと見つけて注文したところ、実物が届いてみたら体型に合わなかった、なんてことはないだろうか。まさに自分がそんな経験をした。カラーがおしゃれな海外ブランドを選んだら、想像以上にサイズが大きく、とくにパンツの丈がめちゃくちゃ長い。「欧米人の足の長さをなめていた!」と手痛い失敗となった。
ウェアを試着せずネットで購入するのは不安だったが、以前も同じブランドのウェアを愛用していたので、同様のSサイズでまあ大丈夫だろうと油断してしまったのだ。パンツの丈がちょっとぐらい長くても、スキーブーツが隠れるようなルーズな履き方になる感じで済むだろう。なんて考えていたら甘かった。
■ブランド直営店がベスト。なければスキーショップに相談
届いたパンツを履いてみるとルーズに履くどころか丈が余りまくって、とても雪上で使えるとは思えない。ジーンズなど普段着のパンツならお直しに出して「丈つめ」できるだろうが、スキーパンツはエッジガードがついているから無理だろう。としょげていたら、「スキーパンツも丈つめできるよ」という話を知人から聞いた。
詳しく聞くと、ブランド直営店やスキーショップに相談すれば、丈つめを受け付けてくれるのだという。たまたま購入したウェアはブランド直営店を展開していたため、さっそく連絡してみると対応可能とうれしい返事。そこで、パンツ持参で店舗に向かった。
■何センチ丈つめするかを考える
店舗に向かう前に、どれだけ丈つめするかを考える。メーカーサイトでこのモデルの実寸サイズを調べると、Sサイズで股下81cm。個人的な好みだが、裾がすっぽりスキーブーツにかぶさるような履き方をしたいので、10cmカットすればよさそうだと考えた。店舗を訪れ、いろいろと希望を伝え、ついでに「エッジガードを残してどうやった丈つめするのか?」という疑問をなげかけた。
ショップスタッフの話によると、「裾ではなくモモあたりに入っている縫い目の部分をつめる」のだという。注文書にカットするサイズや連絡先などの必要事項を記入し、代金を支払えば依頼は完了。仕上がりまで2週間ほどかかるとのことだったが、繁忙期だともっと期間が長くなる場合があるという。
■丈つめしたとはわからない「きれいな仕上がり」に
2週間ほどして「お直しができた」との連絡が入ったので、また店舗に向かった。ちなみに今回はウェアの持ち込みも受け取りも直接、店舗まで行ったが、郵送での受け付けも可能だとのこと。自宅に戻り、さっそく丈つめされたパンツを確認する。股下をメジャーで測ってみると70cmなので、ほぼ10cm短くなっている。もちろん、エッジガードは購入時のままだ。
モモの部分をチェックしてみると、丈つめ前はタックが3カ所に入っていたが、これが1カ所になり下に縫い目ができている。この部分の生地をカットして丈をつめたのだろう。このパンツはサイドに止水ファスナーが付いているのだが、ファスナー部分に切れ目は見当たらず支障なく使えるようになっていた。ちなみに今回のお直し代は13000円だ。
■サイズ選びに失敗してもあきらめずお直しできるかチェックを
幼少期からすいぶん長くスキーに親しんできたが、ウェアでこんな失敗をしたのは初めてのこと。エッジガードや止水ファスナーがついたスキーパンツでも、これほどきれいに丈つめできることを今回はじめて知り、とても勉強になった。ネットショッピングは便利だが、やはりウェアは試着して確認したほうが間違いないし、ネットで購入するのであればサイズはきっちりチェックしておくことが大切だと感じた。
負け惜しみとして前向きに考えるなら、ほしいウェアがあってもジャストなサイズがない場合、お直しして着るという手がある、というところだろう。ニューウェアの情報が出回る頃、どんなウェアにしようかいろいろ探すのは楽しいがサイズ選びにはご注意を。もしサイズが大きかったとしても、意気消沈せずショップにサイズ直しを相談してみよう。