筆者は鹿児島県に在住するソロキャンプ愛好家だ。一人の時間を求めて、月に2~3回ほどソロキャンプに出かける。そのような筆者にとっての悩みの種が、キャンプ場の料金だ。

 管理が行き届いたキャンプ場の場合、その利用料は数千円を超える場合もあり、決して安くはない。そのため、意識して無料や激安のキャンプ場を利用するようにしているのだが、これまでのソロキャンプを通して、素晴らしいキャンプ場との出会いも多くあった。

 本記事では、ソロキャンプを愛する筆者が、心の底から愛してやまない鹿児島県のゼロ円・激安キャンプ場を4ヵ所紹介する。この記事があなたにとって、お金をかけないソロキャンプを始めるきっかけになれば幸いだ。

■1. 火之神公園キャンプ場(鹿児島県枕崎市)

火之神公園、メインの芝生広場の様子(写真:るあらび)

 鹿児島市内から車で下道1時間半程度の場所にあるゼロ円キャンプ場だ。東シナ海に面した火之神(ひのかみ)公園がゼロ円キャンプ場としても開放されている。絶景スポットとしても人気があり、日本中からキャンパ-や旅人が訪れる。

 芝生の広場の目の前は、一面がパノラマの海。海に浮かぶかのような開聞岳と立神岩の景観は、ため息が漏れるほどに美しい。

火之神公園では目の前の海を全て独り占めできる(写真:るあらび)
火之神公園から眺める朝日と海と開聞岳(写真:るあらび)
火之神公園の岸壁に砕ける波の奥に見えるのが、立神岩(写真:るあらび)

 この公園は、夜の時間が実に素晴らしい。公園全体が磯に当たる波の音だけで周りが満たされ、独特の荘厳な雰囲気を醸し出す。そして、この時間は焚き火との相性が抜群に良い。

 海と絶景と焚き火。この場所は、筆者がソロキャンプに求める全ての欲望を満たしてくれる。

●火之神公園キャンプ場

料金:無料
予約:不要
住所:〒898-0049  鹿児島県枕崎市火之神岬町47
電話:0993-72-1111(枕崎市水産交流課観光交流係)

参考HP:https://www.city.makurazaki.lg.jp/soshiki/suisan/351.html

■2. 藺牟田池キャンプ場(鹿児島県薩摩川内市)

藺牟田池キャンプ場のテントサイト。利用者が少ない場合は車を乗り入れできる(写真:るあらび)

 鹿児島市内から車で1時間ほどの場所にある、利用料200円の激安キャンプ場だ。テントサイトは藺牟田池(いむたいけ)の畔にあり、水と緑の鮮やかな匂いが心地よい。湖内には浮島と呼ばれる泥炭形成植物群落が点在しており、これは国の天然記念物に指定されている。

 また、湖一帯はベッコウトンボの生息保護地区であり、貴重な自然のど真ん中といった雰囲気だ。連休になるとファミリーキャンパーで賑わうが、その一方で、9月中旬以降は意外にも利用客が少なく、ゆっくりした一人の時間を楽しめる。

藺牟田池の風景。水辺の独特の匂いが心地よい(写真:るあらび)

 私はこのキャンプ場の朝がたまらなく好きだ。藺牟田池を囲む山々の裏から朝日が顔を覗かせるのだが、その瞬間に世界が幻想的な青紫色で包まれる。ぜひとも早起きして、あなたにもこれを体験して欲しい。

藺牟田池で迎えた日の出の瞬間(写真:るあらび)

●藺牟田池キャンプ場

料金:200円
予約:不要
住所:〒895-1502  鹿児島県薩摩川内市祁答院町藺牟田
電話:0996-56-0085(祁答院生態系保存資料施設「アクアイム」)