昨今のキャンプブームでは、場所選びも楽しむための重要な要素。一般的にキャンプ場で楽しむのだが、なかには野営というスタイルも流行り出している。今回は、「野営」をするための手順と、注意点について紹介しよう。

■自然のままを楽しむキャンプスタイル「野営」

野営地はありのままの自然で整備はされていない(写真:菊田新大)

 野営とは、自然のなかでキャンプを楽しむことを言う。どちらかというとサバイバルに近く、ブッシュクラフトとも呼ばれている。キャンプ場ではないため、トイレや水道といった設備はもちろんない。不便を楽しみ、自然にあるものでキャンプを楽しむスタイルだ。

■野営をするには手続きが必要

 野営をするためには、自然が溢れる手つかずのフィールドであっても、公的機関もしくは私有地など誰かの持ち物であるため、キャンプ場と同じく手続きが必要だ。私有地の場合は、所有している地主に許可を得る必要があり、国や市町村のものであれば役所などに問い合わせ、使用許可を得なければならない。

 使用許可についてだが、申請すれば必ず使えるわけではない。私有地の場合、地主が断れば使用できないのは当然だが、国が管理しているような土地でもそれは同じ。また、そもそも、立ち入ることが禁止されていたり、火器が禁止されているなど、キャンプができない場所があることも理解しておこう。

■野営地の探し方について

 野営地は、ネットで検索しても出てこない。キャンプ場として解放しているわけではないからだ。探し方については、野営できそうな場所を自身で探すしかない。もしくは、野営できる場所を知っているキャンパーに教えてもらう方法もある。

■野営が犯罪となるケース

野営で火を扱う場合は、細心の注意を払おう(写真:菊田新大) 

 野営は冒頭でも紹介したとおり、一般に広く解放されている場所とは違い、必ず所有者や管理者がいる。そのため、許可なくキャンプしてしまうと犯罪となるケースがある。

 国の所有物であれば、国民は使用してもよいという条例もあるが、基本的に勝手に使用するのはNG。許可されていない場所で野営を行った場合、不法侵入に当たる可能性もあるので十分注意が必要だ。仮に山火事などが起きたときには、損害賠償に発展する可能性もある。

 日本単独野営協会というサイトでもどのようなケースが犯罪になるか説明している。事前の確認は必ずしておこう。

■野営をするなら細心の注意を!

 キャンプを楽しんでいくうちに、人が少ないところや、より自然を味わえるところを求めてしまい、一般的な管理されたキャンプ場では物足りなくなってくる方もいるだろう。野営の場合、人は少なく、好きな場所で楽しむことができ、キャンプをするには最高の環境だ。しかし、野営は全て自己責任。細心の注意をはらう必要があることを、くれぐれも忘れないようにしてほしい。

●参考サイト

「日本単独野営協会」:​​https://tandokuyaei.com/1698/