■登山口から山頂まで
筆者が登ったのは4月中旬で、午前9時45分に登山口をスタート。登山口の看板に山頂まで45分とあったので、所要時間を計ることとした。
登山口からしばらくはつづら折りの道が続く。視界が開けているところが多く、周囲の山並みや麓の蒜山高原を随所で眺めることができる。
後半は尾根伝いを歩く。この道は、一帯が軍馬育成場だったころの土塁の跡だ。1898(明治31)年に約2,300ヘクタールが育成場として接収され、その際に軍馬が逃げないように土塁が設けられた。総延長は56キロにも及んだという。
中国の万里の長城のうち、古代に築かれたものは土を盛り上げただけの簡素なものであった。馬が超えられない程度の高さがあれば、北方の騎馬民族の侵攻を阻止できたという。そんなことを思い出した。