■美しい渓に似合う美ヤマメたち

どこでフライを知ったのだろう? 素晴らしい選球眼をもつヤマメたち

 フライにかかったヤマメたちは、激しく水面を割って躍り出る。サイズこそ大きくないものの、手元に寄せてくると清らかな流れに馴染みつつも、浮き立つような彩りが美しい。くっきりしたパーマークと側線に沿って滲むような赤紫の帯に見とれてしまう。

 魚たちの反応に一喜一憂しながらの時間が楽しい! フライを通してヤマメと対話をしているようだ。「もっと美ヤマメを手にしたい」用意していた昼を食べるのも忘れ、すっかり夢中で釣りを続けた。

 予報通り、午後からは冷たい雨が降り出した。

■雨がきっかけ? ようやく始まった“解禁日”!

大芦川のエメラルドグリーンにヤマメの色がよく映える

 雨が降り出ししばらくすると、明らかに魚たちにやる気が出てきたようだ。水中での動きも活発化し、流心でのライズも見られるようになった。フライの着水と同時に飛び出す勢いで食いついてくる。午前中のやる気のない反応が嘘のよう、まさにお祭り騒ぎとなった。

 魚を釣り過ぎて痛み、もはやゴミのようにしか見えなくなったソフトハックル(フライの一種)だったが、それでも次から次へとヒットする。

 冷たい雨に打たれ続け辛いコンディションだったが、最終的には釣果に恵まれた“解禁日”となった。