冬から春先にかけて北海道でしか見ることができない貴重な「流氷」。今回ご紹介する流氷観光砕氷船「おーろら号」では、網走市が面しているオホーツク海一面が流氷に覆われた幻想的な世界を味わうことができます。「おーろら号」は大型船のため、揺れが少なく船酔いしやすい方でもクルーズを楽しめるところが魅力ですね。

 今回は「おーろら号」に乗船して感じた魅力と、近隣にある観光施設を巡ったレポートを紹介いたします。

■流れる氷が作り出す「白い境界線」

左上に流氷の白い境界線が見える

 流氷とは、中国とロシアの国境を流れるアムール川から流れた真水が、オホーツク海の塩分を含みながら冷やされ大きく成長した氷のことをいいます。オホーツク海の高い塩分濃度を含んだ氷は結集を続け、海を覆い尽くすような大きさに成長します。その流氷の最盛期は1月の下旬頃で、白く神秘的な姿をオホーツク海沿岸で臨むことができます。流氷がオホーツク海を覆いつくすことで、他では見ることのできない「白い境界線」が海上に生まれるのです。

■ダイナミックな流氷の海原を楽しめる「おーろら号」で流氷クルーズを楽しむ

道の駅・流氷街道網走内にある「おーろら号」乗船口

 「おーろら号」は、道の駅である「流氷街道網走」から冬の間運行されています。「おーろら号」は、大型砕氷船であるため、砕氷する際の振動が小さいのが特徴です。そのため酔いやすい方でも安心して流氷クルーズを楽しむことができます。船内で流氷を楽しんでいた乗客の方も「揺れが少ないので酔わずに安心して流氷クルーズを楽しむことができてとても良かった」と話していました。筆者自身も「おーろら号」に乗船しましたが、揺れが少ない砕氷船クルーズだったため、安心して流氷を楽しむことができました。

「おーろら号Ⅱ」の1階客室

 「おーろら号」船内の1階と2階にはそれぞれ客室があり、その場所からも流氷を楽しむことができます。また売店には軽食や飲み物だけでなく、「おーろら号」に関連したグッズも販売しているので記念グッズを購入してみるのも良いでしょう。

■「おーろら号」の展望デッキやサイドデッキもおすすめ

サイドデッキから流氷を楽しむ

 「おーろら号」には、流氷とオホーツク海の幻想的な景観を存分に楽しむための展望デッキとサイドデッキがあります。直に見る流氷の迫力は、船室の窓から眺めるものとは迫力の度合いが異なります。氷を砕く音を直接味わうなら展望デッキやサイドデッキをおすすめします。今回筆者はどのポイントよりも流氷を間近で見ることができるサイドデッキを選んでみました。

サイドデッキから見た流氷

 出航から約30分後には、流氷で埋め尽くされた海洋に到着し、幻想的な景観を味わうことができました。

大小様々な流氷に覆い尽くされるオホーツク海

 サイドデッキは海面との距離が近いため、様々な形や色合いのある流氷を間近で楽しむことができます。流氷とオホーツク海が生み出す神秘的な美しさも十分に楽しむことができました。また、アザラシやオオワシなどの貴重な動物を見られるのもオーロラ号の魅力の1つです。運が良ければキタキツネやエゾシカにも出会えるかも知れません。

●「おーろら号」について

・住所:北海道網走市南3条東4丁目5の1 道の駅(流氷街道)
・アクセス:車で札幌市内から高速道路で約5時間
・乗船料:沖合航路(流氷あり):大人 3,500円   小学生 1,750円

・URL:https://www.ms-aurora.com/abashiri/