<前編>密を避けて”満開の桜を満喫”する裏ワザ!優雅に「水の上から」桜の名所にお邪魔します

 お花見川旅の名所である近江八幡水郷めぐり。西之湖園地の広場でお花見ランチをした後は、この旅2つめの見どころである「ヨシ」の群生地エリアへと入っていく。ここのヨシは古来より人々の暮らしに欠かせないものであり、文科省が認定する重要文化的景観の第1号としても選ばれている。今回はそのヨシ群生地の様子と、周辺の立ち寄り場所を紹介していく。

■ヨシの群生地を行く

 西之湖園地前の湖沼に漕ぎ出し、北西にある橋をくぐって水路を行くと、両岸を覆うようにしてヨシが現れる。この時期のヨシはまだ芽吹き始めたところで高さはないが、それでも2mほどの高さがある。これが夏ともなれば4mほどに成長し、秋になれば一面が黄金色に変色して、冬には刈り取られるのだ。3月上旬には芽吹きをよくするためにヨシ原に火をつける「ヨシ焼き」が行われ、それも1つの名物行事となっている。この水郷めぐりは、桜だけじゃなく、季節に応じてヨシの変化が楽しめるのだ。

ヨシの群生地。夏には壁のような高さにまで成長する

 ヨシは昔からすだれや衝立、屋根や天井等の建材、伝統漁具、家畜の餌や燃料などなど、人々の生活には欠かせないものだ。 織田信長の時代には、ヨシで年貢を納めた記録があるほど。それほど大切なものなので、舟でしか行けないヨシ原の中には、「よしの大龍神」なる神様が祀られている。

7月にはヨシの奉納などの行事も行われている