■淡水の釣りのメリット・デメリット

自宅近くのため池で釣れたブラックバス。「まさか」の出会いだった

 川や湖沼の釣りは釣れる魚種・釣り方が限られるため、比較的軽装で釣行できる。また、競技性の高い釣りでもあるのが大きな特徴だ。ゲーム性が高い一方で、食用魚としての魅力は低い。釣り場へのアクセスが楽な分、子どもから大人までが気軽に遊べる魅力がある。以下で具体的に解説していく。

●淡水の釣りのメリット

 軽装で釣りに行けることは大きな魅力だ。川や湖沼の釣りは魚種が絞られているため、道具もコンパクトにまとめやすい。1度の釣行にかかるコストも海釣りより比較的低いため、初心者でも手軽に始められるだろう。

 競技性の高さも大きな魅力だ。ブラックバスやトラウト、アユ釣りは各地域で大会が行われている。ただ釣るだけでなく競技として楽しめる釣りでもあるため、海釣りとはまた違う楽しみ方を味わえる。

 また、思わぬ穴場に出会える可能性もある。筆者はブラックバス釣りをするとき、自宅近くのため池や小規模の河川など「まさかここに」というポイントに出会えることが多かった。穴場を探して人気のないポイントを攻めてみるのもいいだろう(釣りをしても大丈夫なポイントなのかを事前に確認するように)。

●淡水の釣りのデメリット

 食用魚の少なさはデメリットといえるだろう。代表的な魚はアユ、ヤマメ、イワナなどが挙げられるが、海釣りと比較しても圧倒的に少ない。淡水魚には有棘顎口虫(ゆうしがっこうちゅう)という寄生虫がいることもしばしばあるため、持ち帰って食べるときは冷凍または加熱し、寄生虫を死滅させてから食べるようにしよう。

 淡水の釣りは水温の影響を受けやすい。魚は基本的に水温が低いと活性が低くなるといわれている。川や湖沼は海より水温の低下が激しく、冬には水温が一桁になってしまうことも珍しくない。したがって水温が下がる冬季は苦戦を強いられることもあるだろう(渓流魚のヤマメ・イワナは冬季禁漁期となる)。

 虫や蛇などの存在も忘れてはならない。渓流で釣りをするときは周りに木々が生い茂っている場合や獣道を通ってポイントに向かうことも少なくない。このようなときに虫や蛇、熊に出くわすこともあるため、虫除けスプレーや長ズボンの着用など、入念な準備を心がけよう。